いずも改装案_2

戦後初めて固定翼機の運用を行う艦艇への改装が決定した『いずも型護衛艦』。一方、どのような形状になるのか、搭載可能な基数などは未だ明らかになっていないと考えられるのですが、海外の軍事系メディアによるとゼネラル・アトミックス案として、電磁カタパルトを搭載した改装案が示されたと報じられています。

环球网によるとDefense Blogが先月30日に伝えた内容として、日本で開催された防衛展示会でゼネラル・アトミックスはいずも型護衛艦の独自と考えられる改装案を展示し注目を集めていたと報じています。

美国要帮日本改造出云级?甲板增宽还要上电磁弹射

いずも改装案

こちらが実際に展示されていたといういずも型護衛艦の改装案です。Defense Blogに掲載されている内容を見てもいずも型護衛艦の空母への改装写真だと紹介しています。

この時点で第一のツッコミが発生するのですが、そもそもいずも型護衛艦の改装案で運用するのはF-35Bです。しかしDefense Blogでは「日本は本格的な空母にアップグレードするという願望がある」などとしF-35BではなくF-35Cという海軍型でカタパルトでの射出に対応した図を紹介しています。

またゼネラル・アトミックスの示した画像では機体を甲板に移動させるエレベーターの位置がいずも型護衛艦と全く異なっています。そして中国メディアの記事でも指摘しているように甲板上に置かれたF-35Cの位置に相当な無理があります。

いずも改装案_1

素人レベルで考えても現在のいずも型護衛艦の幅はわずか38mしかなくこの程度の幅サイズの甲板に軍用機配置し空母艦載機の運用が行えるなどと図を示す事自体が異常です。何れにしても、まったくもって実現不可能なものとなっており、なぜフェイク画像のような改装案が示されたのかが理解しかねます。

アメリカ製の蒸気カタパルトを搭載しているフランスの空母シャルル・ド・ゴールでは最大幅が64m、全長261mといずも型護衛艦よりも一回り大きく、カタパルトを搭載した艦艇でF-35Cを運用しようと考えると最低でもこの程度サイズが必要になってくると考えられます。

従って、現在のいずも型護衛艦を丸々作り変えない限り実現不可能な案であり、仮にゼネラル・アトミックス案のような改修が実現できたとしても実際の運用には全く適さないと考えられます。