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普通の生物を寄せ付けない極端な環境で生息可能な生物。今年、そのような環境で見つかったのは8種の線虫です。実はこの線虫、人間が容易く死に至るヒ素の環境下でも余裕で繁殖し生き残ることができるという研究が報告されています。

今年9月にカリフォルニア工科大学の研究チームにより発表されたのは私達人間が死に至るヒ素の致死量でも生き残ることができるというAuanema種の線虫を発見したというものです。

Otherworldly worms with three sexes discovered in Mono Lake

この線虫はカリフォルニア州モノ郡にあるモノ湖から採取されたもので、モノ湖は多くの生物に有毒なヒ素を含む高塩性の湖となっています。これまでこの湖で生息可能な生物はアルカリミギワバエが生息しているほか、NASAがヒ素をリンの代わりに用いる細菌「GFAJ-1」を発見したと発表しています。この生物についてはヒ素が利用されているなどと報じられたものの、後に否定されています。

▼Auanema種の線虫
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そのように非常に過酷な環境になっているものの、今回の調査では8種の新たな生物が確認され、特にAuanema種の線虫についてはユニークな特徴があったといいます。

Auanema種の特徴はヒ素について極めて高い耐性がある事がわかり、その耐性は私達人間が死に至る量、つまり致死量の実に500倍もの環境でも生き抜くことができるというものです。また通常の生物ではオス・メスの2つの性別となっているのですが、もう一つ両性具有という3つの性別が混在していることもわかったとのこと。またこの種以外にも新しく発見された生物にはヒ素耐性が確認されたとしています。

▼モノ湖湖畔
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研究者によると、今後なぜこの微生物が極めて高いヒ素耐性を身につけることができたのかゲノム配列の研究を進めるとしています。またヒ素汚染された飲料水は世界の主要な健康問題だとし、線虫などの生物がヒ素をどのように処理しているのか理解することで、毒素が細胞や体に影響をすり抜けて影響を受けないようにしているのかその疑問の解明にも役立つと話しています。

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