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人間が扱うことができる銃から飛び出す弾丸は一般的なものであれば有効射程は数百メートル程度あります。しかし、いざ水中に入った場合、たちまち減速し有効射程は長くても数メートル程度とされています。この欠点に関して米軍では有効射程が数十メートルあるという新しい弾丸の研究が進められていると報じられています。

米国特殊作戦司令部の報道官はテロ対策研究組織『テクニカル・サポート・ワーキング・グループ』(TSWG)で、何らかの新しい弾丸に関してテストが進められていると語ったと報じられています。記事によると、水に対して有効な弾丸としており報道官に対して特殊作戦部隊がテストに関与しているのか、DSG Technologiesがテスト用の弾丸を提供しているのか具体的なことは語らなかったとしています。

The US military is testing water-penetrating bullets so Navy SEALs can shoot from underwater - Task & Purpose

一方、この銃弾を開発したDSG Technologiesによると、現在幾つかの軍隊で試験が続けられていると解答しており弾丸が水中と水上から発射される試験も行われていると伝えているそうです。

DSG Technologiesが開発した弾丸とはいったいどのようなものなのでしょうか。記事によると『CAV-X』と呼んでいるもので素材は硬いタングステンが用いられており、従来に比べ水中に入った場合に減速しにくい特性があるといいます。具体的にはスーパーキャビテーションという気泡を作る効果が発生するといいます。

同社によるとこの弾丸は武器が水面にあるのか、それとも水中にあるのか、それとも浸かった状態にあるのかに関係せず使用することができると説明しています。

具体的な性能についてはライフルなどで用いられる50口径の弾丸であれば、水中を60m移動することができるとしており、水中で17mの距離で2cmの鋼鉄を貫通することができると主張しています。


こちらの映像は一般的なライフと弾丸を用いて水中発射するという試験映像になっているのですが、このように1mも進まいうちに減速し殺傷能力はほぼ失われます。映像では3m先に人間が立っているものになっており、過去に行われた同様の実験でも水中使用における殺傷能力は極めて低下することが確認されています。

今回開発されたCAV-Xという弾丸における水中での有効射程は従来の何十倍あるとみられ、必要とする作戦で有効な兵器になると考えられます。