
ボーイングが先月打ち上げた有人宇宙船、スターライナーことCST-100に関して帰還後の調査が進められているものの、今現在もなぜタイマー問題が発生したのか原因は明らかになっていないとしています。
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Starliner in good shape after shortened test flight - SpaceNews.com
記事によると、今回のトラブルについては「NASAで行われた非常に大規模な統合テストでは発生しなかった」としており、打ち上げ後にタイマーがオフになった理由、起動前にタイマーの不具合が検出されなかった理由についても原因は分かっていないとしてます。
現時点で明らかになっているのは、打ち上げ前に宇宙船はアトラス5ロケットと交信しタイマーが設定されていたものの、何らかの理由で切り離し後に宇宙船内のタイマーが切れ、11時間も先を刻みだし宇宙船が現在位置を誤った段階にあると判断したことで、姿勢を制御するスラスターを大量に消費。国際宇宙ステーションへのドッキングや帰還に必要な十分な燃料が無くなったことで短期間の帰還となりました。
NASAの幹部によるとタイマーの問題に関連してスターライナーの飛行ソフトやその他のシステム全体に見直しがされる可能性があるとしています。一方で、問題が理解され修正されれば宇宙飛行士を乗せた試験を進めることになるとしています。
打ち上げられたスターライナーは予定された地点より2km離れたところに着陸。フロリダ州のケネディ宇宙センターにあるボーイング社の施設に輸送されます。現在、機内に搭載されていたカメラなどに保存されていたデータは収集されており、撮影された映像は近日公開予定とのことです。
また今回の打ち上げでは宇宙船本体には目立ったトラブルは発生していなかったとしており、生命維持装置の稼働具合や内部のレイアウトも損傷するような問題は発生していないとボーイングが発表しています。