美しい肌を求め使用されている女性も多い美白クリーム。実はこの美白クリームの中に人体に有害な水銀が含まれている製品が確認されており、製品によっては基準値の1万倍を超えるようなものがあるとのこと。そのような化粧品を数年間、毎日使用した人が最近昏睡状態になったなどと報じられています。
簡単にまとめるとこれは先月、海外の複数メディアが報じたもので、47歳のアメリカ人女性はメキシコから輸入された美白クリームを使用したところ次第に体調を崩しはじめ、発音障害や歩行困難など明らかに異常な症状を出し始め、現在は昏睡状態となったとしています。
- 女性は1日に2回、美白クリームを塗っていた
- その美白クリームにはアメリカ基準の1万2000倍の水銀が含まれていた
- 水銀入の美白クリームは日本を含め世界中で販売されている
Skin Cream Altered With Mercury Puts Woman In Coma – CBS Sacramento
この女性の体に何が起こったのか。その後血液検査をしたとろ血液からは水銀が検出されその数値は検出可能な上限を突破していたといいます。大量の水銀はいったいどのように人体にはいったのか調査が行われたところ、女性が知らずに長年愛用し続けていたという美白クリームに大量に含まれていたことがわかったというものです。
美白クリームに水銀を添加する理由はどこにあるのか。その前に、美白クリームに水銀が含まれた製品がどのくらい出回っているのかという点について調べたところ、2014年の記事ではアメリカのロマリンダ大学が行った調査として、米国、台湾、日本、中国、タイ、スリランカでオンラインもしくは店頭購入した32の製造国を示した549製品を分析した結果が存在します。
それによると、全製品のうち45%の製品で10,000ppm超の水銀が含まれていたことが分かったとしています。アメリカ基準では化粧品製品の含有水銀量は1ppmとしており、基準値の1万倍を超える水銀が添加されていたことになります。(ただしアメリカで購入した製品では1000ppmを超えたのは全体の3.3%だったとしている)
水銀には肌を黒くするメラニンの生成を抑える働きがあることが分かっており、人体に有害と知っていながらこのような製品が販売され続けられているということになります。今回昏睡状態となった女性が使っていたメキシコ産美白クリームには12000ppmの水銀が含まれており、水銀はメチル水銀でこれを数年間、1日あたり2回ほど肌に塗っていたとしています。
また、別の記事ではこの手の美白クリームには水銀以外にもハイドロキノンというものが含まれており、ハイドロキノンは塗料はがし剤と同じような漂白剤であり、皮膚の表面を除去する作用があり、がんのリスクを増大させるほか肝臓や腎臓にダメージを与える恐れもあると海外では警告されていたことがあるとしています。(参考)
様々なメーカーから、またインターネット通販でも高価なものから安価なものもまで美白クリームは販売されているのですが、特にオンライン販売では偽物が含まれていたり非常に安価なもので高い効果を謳うものも存在しています。そのような製品には人体を蝕む有害物質が大量に含まれている可能性がゼロではないため、多少割高であっても安心できるメーカーのものを購入することをオススメします。