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自然の動物の中には冬眠する種がいますが、実は熊は数カ月間冬眠した場合でも筋肉の萎縮があまりみられないといいます。人間は筋肉を使わなければ萎縮してしまうのですが熊と人間の筋肉は一体なにが違うのでしょうか。

動物の一部は寒くて食料の少ない冬を、冬眠して過ごします。クマやコウモリ、ネズミなどが冬眠して体力を温存し、来る春を待つのですが、中でも特殊な「クマの冬眠のメカニズム」をマックス・デルブリュック分子医学センターのミヒャエル・ゴットハルト博士が解説しています。

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怪我や病気などで体を動かせなくなった場合、私達人間であれば時間をかけ徐々に筋肉量は減っていきます。もちろん運動などで付けた筋肉も同様であり、運動をやめてしまうと筋肉が失われてしまいます。一方、クマは毎年数ヶ月間の冬眠するものの筋肉量の変化はほぼないことが分かっているそうです。

人間と熊は何が違うのか。記事によると冬眠するクマの筋肉からは特定の非必須アミノ酸(NEAA)が多く含まれていることが分かったとしています。研究者によるとこのNEAAが筋肉細胞の成長を刺激する可能性が高いとみています。


そこで、私達が例えば投薬などでNEAAを摂取した場合どうなるのかという点は、実は投薬ではなく筋肉そものがNEAAを生成するということが重要であるとしており、投薬という方法では筋肉量を維持するのは難しいと見ています。

従って、筋肉量の減少を防ぐには筋肉でNEAAの生成を促すよう代謝経路をみつけこれを活性化する方法が望ましいとしています。また、研究者によると現在筋肉の減少に関する遺伝子は特定されつつあるとしており、このような遺伝子を不活性化することでの体への影響を調べたいと話しているとしています。

筋肉量の減少については病気や怪我以外でも、例えば人類が宇宙に行ったり月や火星といった低重力に晒された場合に著しく筋肉量が落ちてしまうことが知られています。これは数ヶ月の宇宙滞在を行ったことで地球に帰還後自ら立てなくなるほど深刻なものとなっているのですが、このような研究は今後宇宙といった分野でも注目されていくと考えられます。