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現在地球上は北極と南極など一部を除き1年中凍りついているところはありません。しかし、過去には地球が凍った惑星となっていた全球凍結時代があったことが既にわかっているのですが、この環境からの復活に関して隕石が関与していた可能性を示唆する研究が報告されています。

米航空宇宙局(NASA)ジョンソン宇宙センターおよびオーストラリアのカーティン大学地球惑星科学学部の共同研究チームによると、原生代初期のヒューロニアン氷河時代(約24億5000万年前から約21億年前)に発生したバクテリアすらも根絶やしにしたと考えられる大量絶滅を引き起こした全球凍結に関して、この氷河時代を終わらせたのは現在のオーストラリア西部で見つかったヤラババ(Yarrabubba)クレーターとなった隕石の衝突であるという内容が報告されています。

Earth's oldest known impact crater may tell us a lot about our planet's frozen past | Space

記事によると約22億年前、地球の表面の大半が氷床で覆われていたのですがオーストラリアで発見された直径70kmのヤラババクレーターが形成された年代が22億2,900万年プラスマイナス500万年だと分かり、全球凍結期から地球が抜け始めた前後の時代に衝突が発生したことがわかったとしています。従って、この隕石衝突と全球凍結の終わり単なる偶然ではない可能性が高いと示唆されているそうです。

▼ヤラババクレーター
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ヤラババクレーターは現在地球上で見つかっている最も古いクレーターで、2003年時点で発見され古い時代のクレーターであることはわかっていたものの、正確な形成年代までは最近まで明らかになっていませんでした。


その上で当時の全球凍結状態の地球をコンピュータシミュレートし、落下した隕石は直径7km、衝突地点を覆っていた氷床の厚さを2~5kmと設定しました。
その結果、隕石の衝突により95~240立法kmの氷が瞬間的に昇華し、周囲の5400立法kmの氷がすべて溶けるという結果が得られたといいます。この溶けた氷により強力な温室効果ガスである水蒸気が大量に大気中に放出され全球凍結の時代は終わった可能性があるとしています。ちなみに放出された水蒸気の量は90兆~200兆kgと推定されています。

専門的なことが書かれており正確な内容を掴むのは難しいのですが、何れにしても全球凍結時代を終わらせるには地球表面を覆っている氷は地球そのものを温め溶かす必要があります。それは異常な太陽活動や大規模な火山噴火など幾つか考えられるのですが、ヒューロニアン氷河時代の終わりに関しては巨大隕石の衝突というイベントによりもたらされた可能性が示唆されています。

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