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新型肺炎(新型コロナウイルス、武漢肺炎)に関して中国を始め既にいくつかの国で人から人への感染が確認されていますが、日本では感染疑いの例を含めてどのような患者に関して新型コロナウイルスに感染しているのかという定義あるのはご存知でしょうか。今回はこの定義について紹介していきます。

これは国立国際医療研究センター 国際感染症センターが発表した『新型コロナウイルス感染症に対する対応と院内感染対策』というもので、今月21日改定されたものです。

新型コロナウイルス感染症に対する対応と院内感染対策

新型コロナウイルスに関しては既にご存知の方も多いように、中国の武漢市という街にある海鮮市場から感染が広まった可能性が高いとされています。従って、患者の多くが武漢出身者に集中しています。一方で既に人から人への感染がほぼ間違いなく発生しており、武漢出身以外からも感染が広まっている可能性が考えられます。

では日本における現時点の新型コロナウイルス感染症したと認められたり、感染の疑いがあると判断される定義はどのようなものなのでしょうか。

▼新型コロナウイルス感染症に対する対応と院内感染対策(改訂 2020 年 1 月 21 日)より

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文章によると『新型コロナウイルス感染症の疑い例のスクリーニング』として「発熱または呼吸器症状を訴える患者に対して、以下の有無を聴取する」とし、来院者は病院で『武漢市への渡航歴』と『武漢市への渡航歴があり、発熱かつ呼吸器症状を有する人との接触の有無』が最初に聞かれるといいます。

その上で新型コロナウイルスの感染の疑いと判断されるには発熱(37.5 度以上)と呼吸器症状(咳や呼吸困難などの症状)が既にあり、かつ『武漢市への渡航歴』もしくは『武漢市への渡航歴があり、発熱かつ呼吸器症状を有する人」との接触歴がある』場合としています。

現在新型コロナウイルスは発熱などを伴わず感染している(発症している)場合があることが知られています。
この場合はどうなるのか一例を挙げると、身近に発症者がいたとしても仮にあなたが咳、呼吸困難などの症状があるものの発熱していない場合は新型コロナウイルスに感染している疑いは無いと判断されます。また、あなたが発熱し咳などの症状があったとしても武漢市に行ったことがなく、新型コロナウイルス感染者もしくはその疑いがある者がクラスや会社、親族に存在しない場合は感染していると判断されないということになります。

このように21日改定の現在の『新型コロナウイルス感染症に対する対応と院内感染対策』については既に欠陥があるとみていいと考えられます。
その一つが未だに『武漢市』『発熱等の有無』に狭く限定されているという点です。中国では既に多くの地域で新型コロナウイルスの発症者が確認されており「人人感染」があるということは武漢市以外の地域でも武漢市出身者と接したことで感染する可能性がゼロではないためです。従ってこの判断に従っていると今後感染拡大を招く恐れが考えられます。

疑いのある患者が病院に来た場合は医療従事者はマスクなど感染予防をし診察は個室で行うなど対応が取られるため院内感染などは最小限に抑えられる対応がとられます。
また重要なことが記載されており発症の疑いが確認された場合であっても全員が即入院というわけではなく軽症の場合は自宅で十分な感染予防策が実施できることを担保した上で『自宅安静』となります。つまり、発熱などがあった場合も家に返されことが十分にありえるということです。ちなみにここでいう軽症とは判断が難しいのですが文章では『肺炎と判断された場合は中等症以上と判断される』としており、それ以下の症状ということになります。

冒頭でも紹介したように今回紹介した『新型コロナウイルス感染症に対する対応と院内感染対策』は2020年1月21日に改定されたもので今後改定されるということが前提のものになります。従って月末には文言の追加など改定がされるのではないかと予想されます。


この記事の非医療従事者が執筆しているものであり内容には誤りがある場合があります。正しい判断と解釈は政府や病院、保健所、医師に従うようにしてください。