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スペースシャトル引退後、これまで続いていた有人打ち上げ能力を失ったアメリカ。現在ソユーズが唯一国際宇宙ステーションへの有人輸送が行える機体になっているのですが、これに関してNASAは5月中にもスペースXのクルードラゴン宇宙船を用いた有人打ち上げの実施に向け取り組んでいると報じられています。

Ars Technicaによると非公式の情報としてアメリカ航空宇宙局(NASA)は2名の宇宙飛行士を国際宇宙ステーションに輸送するクルードラゴンの打ち上げを2020年5月7日に実施するため計画を進めていると報じています。

NASA confirms Crew Dragon almost ready, mostly paperwork left | Ars Technica

記事によると、5月初旬の打ち上げ情報はジョンソン宇宙センターの関係者に質問した内容で、この時期の打ち上げはあくまで暫定的であり、最終的な決定は下されていないと明かしています。事実上のDM-2と呼ばれるこの打ち上げについては協議を進めている段階であり、打ち上げは4月後半から6月までに実施される可能性が高いとしています。

▼動画で解説


クルードラゴンはNASAが進める 商業乗員輸送開発を元に進められている有人宇宙船の一つです。この宇宙船はスペースXが運用しているファルコン9ロケットに搭載し打ち上げられます。

一方でクルードラゴンの開発に至っては、2019年4月 クルードラゴンに搭載された緊急脱出システムの試験を地上で実施したところスーバードラコと呼ばれるエンジンが爆発し宇宙船が大破する事故があったと報告されています。



その後、同じ試験を2019年11月に実施。更に今年1月にはファルコン9ロケットにクルードラゴン試験機を搭載し、打ち上げ時にトラブルが発生したという想定で緊急脱出試験が行われ試験に成功していました。



クルードラゴンの有人打ち上げについては、当初発表されていた打ち上げ日程よりも大幅に遅れているものの、今年中に何らかの有人打ち上げが実施されることはほぼ間違いないと考えられます。したがって、この試験に成功した場合、2011年にスペースシャトルが引退し途絶えていたアメリカによる宇宙飛行士の打ち上げが復活するということになります。