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厚生労働大臣が緊急記者会見を開き、新たに日本国内で新型コロナウイルスに感染した例が複数確認されたと発表しました。その一つ、和歌山県では県内の済生会有田病院の医師が感染していたことに関して、合わせて今月初旬に和歌山県内で新型コロナの発生が確認されたなどと『デマ』が発生していたことについて確認していこうと思います。

加藤厚生労働大臣は今月13日夜、緊急の記者会見を開き東京、神奈川、千葉、そして和歌山県で感染経路が明らかになっていない新型コロナウイルスの感染者が見つかったと発表しました。和歌山県の症例については50代男性の医師が感染したという内容を発表しているのですが、実はこの和歌山県では今月3日「県内で感染者が確認された」とデマが流れているとして県知事が拡散しないよう呼びかけを行っていたことがあります。

毎日新聞によるとこのような記事があります。
 新型コロナウイルスによる肺炎を巡り「和歌山県内で感染者が確認された」と誤った情報が一部で流れたことを受け、同県の仁坂吉伸知事は3日、定例記者会見で「和歌山県では発生していない」と改めて述べ、デマを周囲に拡散させないよう呼びかけた。

 これまで同県内の感染者は確認されていないが、一部のSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などでは1月31日ごろから、感染例が出たとするデマが広がった。
では、今回和歌山県で確認された医師の感染者に関してどのようなことが分かっているのでしょうか。

一部報道によると、和歌山県の50代医師が初めて体に異常を感じたのは1月31日でこの時点で微熱や倦怠感など新型コロナウイルスの症状として多々言われている症状を見せました。その後2月3日からは解熱剤を服用し2月5日には下痢などの症状を見せはじめたと報じられています。

問題はこの医師は1月31日の時点で既に自覚症状のある状態、つまり発症しているという点です。
したがって潜伏期間を仮に5日前後と考え、更に来院・入院した人から感染したとすれば二次感染ということになり、感染元の人間が潜伏期間を終え症状が悪化した時点で受診したと想定すれば、1月中旬または下旬頃には和歌山県では何らかの感染者が既に出ていた可能性も考えられます。

もちろん知事が『デマ』と発言した2月3日時点では国も和歌山県側もこの医師が感染していたことは知る由も無く、感染者は疫学的に確認されておらずゼロの状態でした。しかし、結果的には知事が発言した時点で未確認の新型コロナウイルス感染者が県内に存在していたということになります。


毎日新聞によると2月3日時点で『和歌山県では1月31日以降、感染疑いで検査を実施した例が2件あったが、いずれも新型コロナウイルスは陰性だった』としています。この医師が新型コロナウイルスの検査をしたのは2月13日で8日時点で高熱を出しCTで肺炎の診断がされていました。さらに10日には症状が悪化したのか入院をしていたにも関わらず今まで新型コロナウイルスの検査を行っていなかったのかは明らかになっていません。(インフルエンザの検査は行っていた)

何れにしても今回感染経路不明の新型コロナウイルス感染者が確認されたことから既に日本国内では未確認の感染者が複数いることはほぼ確実と考えられます。