新型コロナウイルス_1

中国では新生児から新型コロナウイルスの陽性反応が確認されるなど年齢を問わず感染する厄介なウイルスに関して、先日乳児から感染が確認された韓国では妊婦と生まれてく赤ちゃんについて注目が集まっています。今回は新型コロナウイルスに感染した妊婦が出産した場合、どのようなことになるのか該当する記事を紹介します。

簡単にまとめると
  • 中国の研究では母児間の垂直感染の証拠は確認されていない
  • 韓国の例では新型コロナに感染した両親から自宅での感染の疑か
  • 研究数が少なく垂直感染は無いとは言い切れない
  • 感染した母親の母乳や羊水、臍帯血からはウイルスは確認されていない
  • ただし中国当局は感染した母親からの授乳はリスクがあると考えている
今月1日、韓国では新興宗教団体所属の父親、もしくは未所属の母親(感染確定)から自宅で家族間、家庭内感染を疑う生後45日の赤ちゃんに感染が確認されました。注目を集めている乳幼児に関して現時点でどのように伝播するのかです。

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新型コロナウイルスに関しては年齢を問わず人間であれば感染することは確認されており、これはSARSやMERSでも妊婦と新生児への感染が多数確認されており、今回の新型コロナウイルスでも細心の観察と注意が必要になってくると記載されています。

その上で、どのように子どもに感染が伝播するのかについては中国湖北省武漢大学の婦人科医師が2月12日に医学誌に投稿した論文では、新型コロナウイルス感染が確定となった妊婦から帝王切開で出産した9例について紹介しています。

記事によると、妊婦は複数の症状として7人が熱、4人が咳、3人が筋肉痛、2人が喉の痛み、2人が倦怠感を訴えていたとしています。研究チームは羊水とさい帯血、合わせて生まれてきた新生児の喉から検体を採取。合わせて母親の母乳から検体を採取した結果、何れもウイルスは確認されなかったとしています。したがって、生まれてくる前の母親から直接感染するという医学用語でvertical transmission、垂直伝染は少なくとも今回の研究では確認できなかったとしています。
生まれてきた新生児についてはその後の経過は良好だったとしており、大きな問題は発生しなかったと記載されています。ただし中国の保険当局は感染した母親から生まれた新生児については感染の有無を問わず14日以上隔離し、母親からの授乳は禁止するなどの管理強化策を提示しているとのことです。


この研究とは別に武漢の大学で3人の妊婦を対象とした調査でも垂直感染は確認できなかったと発表。更に湖北省母子保健病院が発表した別の研究でも9人の新型コロナウイルスに感染した母親が生んだ10人(双子1例あり)の新生児も垂直伝染は確認できなかったとのことです。

したがって新型コロナウイルスに感染した母親から母体内で胎児へ感染が発生する垂直伝染は低いと考えられるものの、中国では2020年2月初旬に生後30時間に検査が行われた例が報告されています。この例については垂直伝染したという確実な証拠は無いものの、現時点で調査の対象となる事例そのものが少なく垂直伝染が完全に無いと判断するのは安心できない状況だとしています。また妊娠後の妊婦だけを対象した研究にも限界があるとのこと。


合わせて注意が必要なのはお腹の子どもへの感染だけではないと記事では紹介しています。これは致死率が高かったSARSの事例として当時、感染した妊婦12人の内妊娠初期であった感染した妊婦7人のうち4人は流産、妊娠中期の妊婦5人のうち2人で胎児の発育不良が現れ、5人のうち4人は早産。早産の場合1人は自然に3人の母親は早産を誘導されていたとしてます。

またMERSでは11人の妊婦の例として10人の妊婦で何らかのウイルスの影響があったといい、生まれてきた6人の新生児が集中治療を必要とし内3人が死亡、母親の呼吸困難で早産を誘発した例が2件あったとしています。

*抄訳したものを掲載しています