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韓国メディアによると、新型コロナウイルスの拡大に伴いネット上では、二酸化塩素を放出し新型コロナウイルスの感染予防を謳う謎のネックレス製品が販売されているのですが、当局が規制に乗り出したと報じられています。

ソウル新聞によると今月10日、韓国の環境省は新型コロナウイルス予防用ネックレスとして『二酸化塩素を放出し、ウイルスや菌を殺菌する』などと謳うネックレス製品について、即時流通遮断措置に乗り出したと報じています。

[서울신문] ‘코로나 살균 목걸이’ 주의보…환경부 “불안심리 악용 부적합 제품”

記事によると、この製品は固体二酸化塩素が気体になることで半径1m以内の空間にウイルスを除去すると謳ったり、空間除菌などという言葉を用いて子どもが製品を見に付けつ写真を掲載するなどして1万〜2万ウォン台(約880~1700円)の価格でオンラインショッピングモールで主に販売されていたといいます。

当局によると、二酸化塩素は一般殺菌剤としては利用可能な物質であるとしながらも、人体には有害になる場合があり、特に粘膜等に刺激性があり吸入した場合は毒性があるとしています。また二酸化塩素は一般的に家具やドアノブなどの物質に対して殺菌・抗菌に用いるもので、人体に対しては直接接触してはいけないとしています。

環境省は化学製品安全法に基づく承認や申告をしていないにも関わらず新型コロナウイルス予防を謳い製品を製造、輸入販売している業者を集中監視しているとのこと。特に先月中旬から不適合製品と疑われる104の製品の流通遮断措置を実施しているとのことです。

二酸化塩素が本当にウイルスを撃退してくれるのかという疑問については、韓国メディアは日本の国立病院機構仙台医療センターが行った研究があると紹介しています。
それによると冬の室内生活空間を想定し気温20度に湿度25%の閉鎖空間を用いてA型インフルエンザウイルスを放出。二酸化塩素含有製品の上から20cm離れたところで空気を吸入してアクティブなウイルス量を測定しました。このような条件で二酸化塩素製品に晒されていない場合との活性ウイルス量と比較・検証した結果、製品が謳うウイルス抑制効果は全く認められなかったとしています。

ただ、他の研究では湿度が50~70%と高く二酸化塩素の空間濃度が20~30ppbという比較的低濃度で20分間晒された場合では抗ウイルス効果はあったとしています。ただ、感染のリスクについては感染管理の観点からは効果は薄いとしており、二酸化塩素の人体への毒性も考える必要があると記載されています。(参考)