image_37

アメリカが中心となり開発・建造が始まる月軌道上の小型宇宙ステーション『ゲートウェイ』。これに関してゲートウェイへの物資輸送に関してスペースXが新たに開発するドラゴンXLが採用されることが決定されたと報じられています。

Space.comによると、アメリカ航空機(NASA)はアルテミス計画という有人月飛行計画に関して、ゲートウェイロジスティクスサービス(GLS)契約に基づき月軌道上に建設される小型宇宙ステーション『ゲートウェイ』への物資輸送任務としてスペースXが開発するドラゴンXLが選定されたと報じられています。

NASA Awards Artemis Contract for Gateway Logistics Services | NASA
NASA picks SpaceX to fly cargo to moon-orbiting Gateway space station | Space

スペースXは現在ドラゴン補給船を使用し、国際宇宙ステーションへの物資輸送、また国際宇宙ステーションで研究された素材の地球への輸送を行っており、世界で唯一民間企業がこの2つのサービスを同時に提供しています。ロケットの打ち上げも自社で行っており補給船の打ち上げから運用に至るまで非常に実績と技術がある企業となっています。

記事によると、開発されるドラゴンXLについては現在運用されているロケットの中では世界最大の打ち上げ能力があるファルコンヘビーロケットが用いられるといい、スペースXによるとドラゴンXLによる貨物の搭載量は最大で5トンに達するとのこと。

▼ゲートウェイ(CG)
image_38

ミッションについてはドラゴンXLはゲートウェイへの接続期間は半年から1年となる可能性が高いとしており一般的に国際宇宙ステーションに接続されるドラゴン補給船の1ヶ月程度に比べると遥かに長期間接続された状態となります。

今回の選定に関してNASAよると「これらのミッションは、火星に人間を送るのに必要な経験と能力を開発しながら、国際的・商業的パートナーの両方と持続可能な探査に関するNASAの計画をサポートするでしょう」と説明しています。

今回の発表からもNASAが、将来にかけて強くスペースXに期待しているという態度が見え隠れしており、アメリカの宇宙開発に今後スペースXが深く関わっていくということはほぼ間違いと考えられます。民間の宇宙企業の中で、技術・運用実績など全てにおいて頭一つ出ているスペースXの今後の活躍が期待されます。