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新型コロナウイルスが原因で世界各地では様々な品が買い占められる事態に陥っているのですが、一方で発生源の中国では、アメリカで新型コロナウイルスの死者数が増えていることが原因で海水が汚染されるなどと意味不明なデマが生じ、塩が買い占める事態になったと報じられています。

新浪网によると、今月9日頃に広東省の街で謎の塩買い占め騒動が発生したと報じています。この様子は中国のSNSにも投稿され塩を積んだ電動三輪車に多くの人々が押し寄せ奪い合うかのように塩が入った袋を持っていったといいます。人々は「塩が汚染され食べられなくなると噂を聞いた。みんな塩を手に入れようとしている」と話していたとのこと。

抢完大米,江苏湛江又抢盐?“海水有毒致盐紧张”如此荒诞怎还有人信|疫情|尸体|江苏_新浪新闻

もちろんデマなのですが、いったいどのような理由から塩が汚染されるなどと噂が流れたのか。記事によると『新型コロナウイルスが原因でアメリカ人が多く死んでおり、遺体が太平洋に流れ出しているそれで海水が汚染され塩を作ることができなくなる』というものだったといいます。
これを信じた人た若い人たちの間では親らに塩を買い溜めて溜め込むよう連絡を入れる人も相次いでいたといいます。

デマが原因で買い占めが発生した広東省湛江市にある販売店によると、店員の話しとして「4月9日に塩の買い占めがあった」と話し、 塩を買おうと多くの人が店に群がっていたとし客らは「海水に毒」「塩作りに負担がかかっている」などと口にしており違和感を覚えたとのこと。動画では客が塩に群がっている様子が映し出されており、中には大袋ごと強奪されたケースもあったとのこと。この大袋には小袋50袋が入っており、平均的な3人家族の1ヶ月分の塩分が小袋1パックに入っているとのことです。

塩と社会混乱

中国ではこのような社会混乱が発生するたびに、ほぼ毎回塩が買い占め騒動が発生しています。最近の例としては2011年の東日本大震災では「原発事故で塩が放射能汚染される」「塩に添加されているヨウ素が被曝対策になる」と噂が広まり大量に塩を買い求めたことが報告されています。この騒動で通常価格の6倍以上の値で6.5トンもの塩を買った人がいたと日本でも報じられていました。その後、塩の問題が去った時、店に返品を求めたもののこれを拒否するスーパーが相次ぎ、当局には消費者からの苦情の電話が殺到していたといいます。(参考)
また尖閣諸島問題が高まった2012年にも同じく塩を買い求める中国人がいたと報じられています。理由は「日中戦争が勃発する!」というもので、この時は塩に合わせてお米も爆買いされていたとのことです。

▼2015年の塩騒動
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さらに2015年にも塩の買い占め騒動が発生しており、「塩の価格が今後高騰する」などと根も葉もない噂話が独り歩きしたことで消費者が塩を買い溜めする行動にでていました。