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今年7月に打ち上げに向け準備が進んでいるのは『マーズ2020』とこれまで呼ばれていた新たな火星探査車『パーシビアランス』です。この探査車には地球外の天体で初めて運用する回転翼を搭載したドローンを運用する計画で先日探査車への搭載作業が終了したと報じられています。

アメリカ航空宇宙局(NASA)によると現地時間今月6日、ケネディー宇宙センターで打ち上げに向けた準備が進んでいる火星探査車『パーシビアランス』に『マーズヘリコプター』と呼ばれる二重反転ローターで飛行する小型ドローンの搭載作業が終了したと発表してます。

Trailblazing Mars helicopter attached to Perseverance rover for July launch | Space

Space.comによると今後の予定としてはマーズヘリコプターは今年7月に火星に向けてパーシビアランスを打ち上げ2021年2月に火星へ着陸。そして約2.5ヶ月後にマーズヘリコプターを展開し運用を開始します。設計寿命は30日としており運用に向けて短いテスト飛行が実施されるとしています。

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▼マーズヘリコプター
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マーズヘリコプターは重量約1.8kg。火星の大気圧は地球の1/100程度しかなく地球では高度30kmとほぼ同じです。このような高度は軍用の高高度偵察機よりもさらに10kmほど高い空間を飛行するという能力が求められており、飛行そのものが困難です。マーズヘリコプターには大型の二重反転ローターを採用しています。このローターは地球上のヘリコプターよりも10倍速く動作させます。マーズヘリコプターには温度センサーやカメラ程度を搭載している程度で本格的な観測機器は搭載していません。


マーズドローンは上空から地上を撮影することでパーシビアランスの1日あたりの移動距離を伸ばすことが主な任務であり、これによりほぼ同じ探査車となるキュリオシティよりも3倍程度移動距離が伸ばせる可能性あるとしています。

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またNASAとしては今後、火星で本格的に空中探査を計画しておりこの計画に向けた試験もとして運用が考えられています。NASAの研究者によると「パーシビアランスとマーズヘリコプターを組み合わせることで今後数十年に渡って火星の科学と調査の未来を決定付けるものとなる」と話しており今後も積極的に無人航空機の運用を考えていることを明らかにしています。