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相次ぐ核実験、弾道ミサイル開発で、北朝鮮は国連による制裁決議により化石燃料等の輸出入が禁止されています。これに関して韓国メディアによると、国連は北朝鮮の船舶が直接中国の港に入港し石炭を運ぶ様子を人工衛星等により捕捉した内容を報告したと報じてます。

韓国メディア毎日経済によると今月17日、国連傘下の対北朝鮮制裁委員会の専門家パネルの年次報告書で北朝鮮のさまざまな制裁回避手法を発表しています。

北, 남포항에서 정유제품 `직구`…中항구서 버젓이 석탄 환적(종합) - 매일경제

それによると、北朝鮮が行った2019年1〜8月における石炭の輸出量は最低で370万トン、価値にして3億7000万ドル規模で行われたものの年次報告書は示しています。具体的には2019年1〜4月は92万8000トンと考えられ5〜8月は270万トンと191%急増したとしています。

▼南浦港(ナンポ)に入港している外国船
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その後も北朝鮮は積極的に石炭の輸出を行っており、2019年11〜12月に北朝鮮西部、黄海に面している南浦港(ナンポ)と 中国山東省聊城市臨清市にある港間で石炭輸出が行われる様子が衛星写真に捕えられていたとのこと。その回数が相当多く北朝鮮の南浦港埠頭から最低16隻、南浦港一帯では87隻が捕捉されています。また中国側の港では、最小17隻、港一体では約17隻が石炭輸出に動員されたことが確認されました。

対北制裁委は「この期間全体の貨物船は北朝鮮の南浦港から少なくとも103隻、中国側の港では少なくとも34隻がそれぞれ観測された」としています。


た輸出されていたのは石炭だけではなく、コンクリートの素材となる川砂まであったと報告しており最低でも100回、北朝鮮産川砂が中国に売られていたと報告書は説明しています。その量としては、少なくとも100万トン、2200万ドル分の砂が輸出されたと指摘。砂は2017年12月に採択された対北朝鮮決議案2397号に基づいて輸出禁止品目に入っています。

そして石油です。北朝鮮の精油製品の輸入量も年間50万バレルの上限を超える3〜8倍に達すると分析されています。報告書によると2019年1〜10月における密輸量は最低で143万バレル、最大389万バレルと推定しています。

また第三国経由で密輸する事案も増えており、報告書ではインドと韓国が行っていたことを指摘しています。