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新型コロナウイルスに関して過去に感染していたのか判定することができる抗体検査キットが既に運用されているのですが、これに関して一部のキットでは信頼性が低く著しく無価値なものが含まれると大手製薬企業が主張していることが明らかになりました。

COVID-19に感染すると、体内でウイルスに対する抗体が作られるため、抗体の有無を調べる抗体検査によりCOVID-19に免疫を獲得した人を特定することができると期待されています。COVID-19に免疫を獲得した人の数や割合などを把握することができれば、経済活動の再開や都市封鎖の解除といった政策の判断に役立つため、大規模なCOVID-19の検査を実施しているアメリカ、スペイン、イギリスなどでは100種類を超える抗体検査キットが製品化され流通しています。

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新型コロナウイルスの抗体検査は一滴の血液を試薬につけることで新型コロナウイルスに対する抗体がああるのか、つまり過去に新型コロナウイルスに感染したことがあるのかを判定することができます。しかし、その信頼性については種類が異なる既存のコロナウイルスの抗体を検出してしまう可能性があるなど問題が指摘されているのですが、このような偽陽性に関してスイスを拠点とする世界的な製薬会社ロシュのCEOが信頼性について疑問を主張しています。

CEOの発言として
「市場に出回っている既製の抗体検査をテストしましたが、これらの検査キットの信頼性はとても満足できるものではなく、さながら災害とでもいうべきものでした。こうした検査キットを販売する企業の倫理は非常に疑わしいといわざるを得ません」
この発言はあくまで他社が開発した抗体検査キットについて主張してるものです。そのうえでCEOによると、私とあと2人ほどいればガレージの中で抗体検査キットを開発することができるとし、抗体検査キットはある程度知識があれば素人でも作ることができると主張しています。

検査キットの信頼性について記事によると、製薬会社ロシュが開発した「Elecsys Anti-SARS-CoV-2」という抗体検査キットであれば、「IgM」という早期に見つかる抗体を99.8%、「IgG」というIgMに遅れて長く体内に遺る抗体をほぼ100%で判定できると説明しています。このキットは既に日本を始め各国の医療機関等に販売されているとしています。



新型コロナウイルスの抗体検査をはじめ今感染しているのか否か判定する抗体検査など様々な製品が市販化されています。これはマスクや謎の消毒液も同様なのですが、莫大なお金が動く一方で粗悪品が紛れ込んでいる可能性も高く、特に実績も経験もない新興企業が開発したような製品は疑ったほうがよいものと考えられます。