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海外の宇宙関連ニュースサイトによると、スペースXが運用を目指している超大型有人宇宙船『スターシップ』の試作機に関して、またも爆発し機体を失う事故があったと報じられています。スターシップの試作機はこれまで数機製造されていますが大半が爆発で失われています。

Space.comによると、現地時間5月29日にスターシップ SN4(シリアルナンバー4)というスターシップの試作機を用いたエンジンテストを行ったところ、突然爆発し機体が失われる事故が発生したと報じています。

SpaceX fires up Starship SN4 prototype as FAA issues launch license for test flights (video) | Space



こちらが爆発映像です。記事によると、事故機は新開発のラプターエンジンの短時間のエンジン燃焼テスト、静的燃焼試験という離陸はしない燃焼を実施し、エンジン停止から約1分後に突然爆発したとしています。

ただ映像をみる限りでは爆発前に試験機本体から大量のガス、つまり気化した燃料が漏れ出していることが確認できるため、タンクもしくは燃料系に何らかの漏れが生じ結果的に引火するなどして爆発した可能性が考えられます。


スターシップ SN4は本格的運用に向けて必要な様々な発射システムのテストを行うため開発された最新の機体でした。
スペースXもこのロケットを地上150mまで離陸させる準備を進めており、前日となる5月28日にも同様の静的燃焼試験を実施。エンジンの試験燃焼には成功していました。そして同日、規制当局である連邦宇宙局からスターシップ SN4のテスト打ち上げのライセンスを受け取っていたといい、高度150mの試験を間もなく行うと発表していたといいます。しかし、このテストを前にした試験で爆発、機体が失われたということになります。

スターシップの試験機に関してはこれまでも爆発が相次いでおり既にその大半が爆発で失われています。
具体的には試験機の前段階となるグラスホッパーは3回の試験に成功し無事に引退しています。しかし続くスターシップMk1という機体は圧力タンクのテスト中に爆発、SN1も圧力テスト中に爆発。SN2は溶接テストに用いられた機体で特に過負荷試験が行われず無事に引退。SN3も圧力テスト中に爆発。そしてSN4は圧力テストには成功したもののエンジン燃焼後に爆発となりました。

現在スターシップ SN5の建造が進められているものの、残念ながらこれまで行うはず試験機での空中での試験が一切行われておらず、SN5で実施予定の高度20kmという試験は実質SN4、つまり高度150mの試験用に転用される可能性があります。

いずれにしても爆発が相次いでおり、有人宇宙船における最も最優先される『安全性』という面で潜在的な問題が解決できていない可能性が高く、今後同機の試験が続けられるのか、相次ぐ爆発でスターシップそのものの立場が危うくなっています。