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私達のもっとの身近な動物として犬がいますが、その優れた能力は飼い主であれば知っているはずです。今回、火災現場などで活躍が期待される探知犬として犬は5ピコリットル(1ピコリットルは1兆分の1リットル)の匂いを嗅ぎ分けられるという新しい研究結果を発表しています。

アルバータ大学が行った研究によると、2匹の犬を使い片方を灯油など様々な燃料を嗅ぎ分けられるよう訓練した犬とガソリンに特化し嗅ぎ分けられるよう専門に訓練された犬を比較した場合、ガソリンに対して訓練を繰り返した犬は『5ピコリットル』という極めて微量のガソリンも嗅ぎ分けられることが分かったとしています。

Dogs can detect traces of gasoline down to one billionth of a teaspoon | Faculty of Science

ピコリットルという聞き慣れない単位については身近なものでは家庭用のプリンタで吹き出されるインクで『ピコリットル』が使われる場合があります。インクジェットプリンタは細かいインクを吹き付け文字などを描くのですが、その点の大きさ、つまり吹き出されたインクの量を『10ピコリットル』などと表現することがあり、今回犬が嗅ぎ分けることができるのは1つぶ程度という極めて微量になると考えられます。

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記事によると研究チームは「放火調査として犬を用いて発火性液体の痕跡を含む破片を特定できる。つまり火災が放火が原因であるという仮説を裏付けることができる可能性がある」と話しています。
ちなみにこの研究では訓練された特殊な犬については燃えた状態でもガソリンが撒かれたところを正確に嗅ぎ分けることができたとしています。

また研究チームは「犬は法廷で『ガソリンが撒かれた』と証言することはできないものの、犬が示した残骸を持ち帰り分析を進めることができる」とし、今後放火などの出火原因が難しい事件の解決に役に立つ可能性があるという趣旨の内容が記載されています。

一方で欠点もあるといい、ガソリンに特化して訓練された犬は確かにガソリンに対して顕著な嗅覚を持っていたものの灯油など他の燃料についてはガソリン以外で訓練された犬よりも劣っていたとしています。