ピンク色が特徴的なフラミンゴ。これは日頃から食べている餌が理由で着色していくことが知られているのですが、一方で色がより濃い個体は攻撃性も強いことがわかったと報じられています。
動物の世界に争いはつきものだ。フラミンゴも例外ではない。新たな研究で、フラミンゴは体のピンク色が鮮やかなほど攻撃的であることが判明、6月8日付の学術誌「Ethology」に論文が発表された。 これまでの研究で、鮮やかなフラミンゴは健康で、交尾の相手を見つけやすいことが示されているが、今回の研究はそれに続くものだ。英エクセター大学の行動生態学者ポール・ローズ氏率いる研究チームによると、イギリス国内で飼育されている45羽のフラミンゴ(Phoeniconaias minorという最小サイズ種)を監察した結果として、より着色が強い個体ほど攻撃的であることを示唆する結果が得られたとしています。
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研究ではオス24羽、メス21羽をそれぞれ色ごとに4段階に分け監察。餌を食べる様子を1分間の動画を210本分撮影しました。研究では各個体の攻撃行動から餌を食べる行動の評価を行ったとしています。結果、フラミンゴは狭い場所で食べるほど攻撃的な行動を見せたことがわかり、さらにピンク色が鮮やかなフラミンゴほど仲間と攻撃的に接触する確率もはるかに高いことがわかったとしています。
研究によると、色が濃い個体は餌場の中でもリーダー的な存在であり、攻撃性が強いため他を押しのけより多く食べることができるため更に色も強くなるといい、これにより自分をより魅力的に健康的だと示すことで交尾相手を寄せ付けることができるとのこと。
実際に色が濃いフラミンゴは本当に健康的なのかという点については、フラミンゴ以外でも天然色素であるカロテノイドをより多く取り色鮮やかな個体ほど病気の回復も早いといい、他の個体よりも体の状態がいいことがわかっているとのこと。
今回の研究では飼育下におけるフラミンゴ同士の争いを止めることにも役立つ他、それぞれが十分な餌を食べることができることでより色鮮やかになり来場者を喜ばせることにも繋がると研究者は述べています。