
Credit: Nick Leseberg
動物の中には日中活動するものと夜に活動するものがいます。実は野鳥にもそのような種が存在していることがわかっていたのですが、とある夜行性のインコは夜に弱い目で食料を得ていたことが明らかになりました。
(CNN) 絶滅の危機にある夜行性のヒメフクロウインコについて、暗闇の中でものを見る能力は高くないとする研究結果が発表された。豪フリンダース大学のベラ・ワイズベッカー准教授らの研究チームが9日、オンライン科学誌サイエンティフィック・リポーツに報告した。今回調査の対象となったのはヒメフクロウインコ(night parrot)というオーストラリア内部の草原にしか生息していない希少種です。個体数が少ないこともあり初めて発見されたのは1840年代で、それ以降も目撃例なども少なく「世界で最も発見困難な鳥」ともいわれているそうです。
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具体的にどの程度発見が難しいのかについては、記事によると1845年に初めて発見された以降度々目撃されたものの1912年以降は全く発見されず1990年にトラックとぶつかり死んだ個体が確認されていたといいます。今回研究に用いられたのは頭蓋骨が奇跡的に無事だったというこのトラックにぶつかって死んだインコで研究が進められたとしています。ちなみに生きた個体を初めて確認できたのは2013年に入ってからとのことです。
この鳥が発見が難しい理由の一つとして夜行性があるのですが、その能力についてオーストラリアの大学はCTスキャンし同じ系統の鳥と比較した結果、想定外の生体が明らかになったとしています。
研究チームによると、ヒメフクロウインコは他の同種のインコと目の大きさはほとんど変わらず、神経など視覚に関する中枢は他の種よりも小さいことがわかり、暗闇に対して決して強い目をもっていないことがわかったとのこと。
また目もそこまで良くないとしており、例えば農業で使用する金網や天敵の襲撃を見分けることが難しいのではないかとしています。そして夜行性に適していない視力であるため個体数を減少させているのではないかとしてます。
教授らによると、ヒメフクロウインコがこれ以上少なくならないよう、例えば金網を撤去したりより見やすくしたりする対策が必要だと訴えています。