レニングラード原子力発電所

海外メディアによると、6月以降北欧地域で人工放射性物質が観測され、通常の数値を上回るものの微量の放射性物質が検出されたと報じられています。

モスクワ(CNN) 北欧のノルウェー、スウェーデン、フィンランド上空で6月前半にかけ、通常を上回る濃度の放射性物質が検出された。これについてロシアは、同国の原子力発電所で放射能漏れは起きていないと強調している。 

オランダ国立公衆衛生環境研究所は28日、ノルウェーなど3カ国の上空で、「非常に低い」レベルの人工放射線が観測されたと発表した。環境や人の健康に影響を及ぼす恐れはないとしている。

CNN
CNNによると、今回観測された放射能は人工放射性物質として代表的なセシウム134、セシウム137、ルテニウム103、コバルト60でフィンランド・ノルウェー・スウェーデンの放射線および原子力安全監視機関はスカンジナビア南部や北極圏に流れてきた雲からから微量の放射性同位体が観測されたとしています。

実はこの手の放射性物質の比率などを調べると何が原因で、どのように生じたのか大体のことがわかるとされています。例えば核実験等による核爆発ではセシウム137は含まれるもののセシウム134は含まれていないとされており、記事にも掲載されているように原子力発電所にある燃料で何らかの事故があった可能性が高いとされています。


その上でオランダ国立公衆衛生環境研究所は「原子力発電所の燃料関係の異常と考えれば、この放射性物質の組み合わせは説明がつくかもしれない」「計算の結果、この放射性物質はロシア西部の方角から来ていることが分かった」と指摘。ただ、データ不足から発生国や発生源は現時点で特定はできていないとのこと。

2020年6月北欧 放射性物質漏れ

海外メディアによると、事故を起こした可能性が高いと現在指摘されているのはロシアにあるコラ原子力発電所及びレニングラード原子力発電所です。この指摘についてロシア側は「コラ原子力発電所とレニングラード原子力発電所は2020年6月に至るまで変化がなく、放射線量の増加には関係ない」と否定しています。

▼コラ原子力発電所
コラ原子力発電所_1

いずれにしても人工の放射性物質が観測され特定の地域でのみ観測されていることからその一帯で何らかの原子力事故が発生したのはほぼ間違いありません。