KELT-9b_1

これから本格的な夏を迎える日本。暑い夏がはやく終わってほしいと口にされている方もいらっしゃると思いますが、一方、系外惑星であるKELT-9bという天体はなんと1つの季節がたった9時間周期やってくる事がわかったと報じられています。

NASAによると、地球から見てはくちょう座の方向に約650光年離れた位置にあるKELT-9星系にある第一惑星KELT-9bについて、毎年夏が2回と冬が2回訪れるものの各シーズンの時間は約9時間であることがわかったとしています。

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私達人類の感覚を超える状態になっているのですが、この天体でいったい何が起こっているのか。
KELT-9bは恒星の極めて近くを公転している惑星で1年がわずか36時間程度しかありません。この36時間のうち夏が9時間、冬が9時間、また夏になり9時間、そして9時間の冬がくるということを繰り返していると考えられています。

地球の季節は地軸を傾けた状態で太陽を公転していることにより生まれているのですが、KELT-9bは全く状態が異なっています。


KELT-9bは恒星の横方向つまり地球と太陽のような位置関係で公転しているのではなく、恒星の北極と南極を公転している天体です。そしてこの恒星は短い周期で自転することにより変形し楕円形になっています。



KELT-9b

動画と画像で紹介するとこのようになります。中央が恒星KELT-9で公転しているのが惑星KELT-9bです。このように恒星の自転方向(横方向)ではなく縦方向方向に公転しているという変わった天体です。

NASAによると、恒星の北極と南極は1万度近くあるものの赤道付近は800度ほど温度が低いそうです。また光度もことなっており38%ほど暗くなるとのこと。つまりKELT-9bが36時間で公転する間に熱い北極と南極を近くを通るときは天体の温度も上がり夏になり、赤道付近を通過するときは温度が下がるため冬になるということです。

ちなみにKELT-9bは極めて恒星の近くを公転しているため表面温度は4000度以上となっており、私達人間にとっては地獄のような天体になっています。