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社会的な混乱を引き起こしている新型コロナウイルス。国内でもその驚異は増しているのですが、一方で中国では感染者が利用する下水が漏れ出したことで、靴等を介してのウイルス伝搬が初めて確認されたと報じられています。

簡単にまとめると
  • 広東省広州市でアパートを超えた集団感染発生
  • 原因はトイレの下水が流れる配管の損傷
  • 大雨と共にコロナ汚水が街の路地に流れ一帯の暮らす住民らが集団感染したと推測
韓国メディア中央日報によると、中国南部広東省広州市疾病予防センター(CDC)などの研究チームは現地時間16日論文事前公開サイト(SSRN)に発表した論文で、「生活下水を介して新型コロナウイルスが伝播するという事実を立証した」と報じています。

"하수구 타고 배설물 속 코로나 퍼졌다···中광저우 감염 발칵" - 중앙일보

記事によるとこれまでも感染者の糞便と生活下水を介して新型コロナウイルスが伝搬する可能性は指摘されていたものの、本格的な研究と追跡調査で明らかになったのは今回が初めてだとしています。


記事内ではどのように伝搬したのか現地の地図と感染者の行動が記載されているのですが、簡単に紹介すると、今回研究の対象となったのは今年3月20日から4月14日に広州T市場で集団発生し関係者など35人が陽性となり4月4日に市場が閉鎖されたという事例です。

保健当局によると広州低所得層居住地域に住むAさんがこの地域では最初の感染者とみており、症状としては4月5日に席や頭痛、5日後には夫が同じような症状を訴え、Aさん夫婦は共に4月13日指定病院に入院しました。

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その後、Aさん夫婦を含む地域で集団感染が発生。具体的には周辺の4つのアパートに住んでいた8人が感染していました。Aさん夫婦は(1番目の感染者と2番目の感染者)はAアパート、3・4番目と7・8番目の患者は離れたBアパート、5・6番目はCアパート、7・8番の患者は、3番目の患者と簡単な会話を交わしたことはあったといます。
しかし3~8番目の感染者は全員がAさん夫婦(1~2番目感染者)と接触がなく、存在もしらなかったといいます。

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研究チームは調査を進めたところAさんが暮らすアパートのトイレの水を流す下水管が地表付近で穴が空いていることを発見。その後、試験的にトイレの水を流した結果、下水管から漏れ出した水が路地にそって感染者が出たアパートの周辺にある5つの排水口に流れ込むことがわかったとのこと。

また4月5日~6日は比較的多くの雨が降り、最も新型コロナウイルスを排出する時に偶然にも汚染された下水が路地に多く流出し路地全体を汚染。そのような状態で汚染された外を歩き回った靴が家庭内に持ち込まれたことで結果的に集団感染が発生したとしています。
また感染については汚れた手で鼻や口に触れた可能性と、家でエアロゾルが作られ呼吸器に入って感染させたさせた可能性が考えられるものの具体的な原因はわかっていません。

研究チームによると、夏の梅雨や集中豪雨により下水の逆流現象が発生するような地域を訪れた場合は帰宅した後に靴や自転車(路地を通過した自転車のタイヤからも新型コロナウイルスが検出さえている)などの衛生状態に注意が必要だと説明しています。