三峡ダム

中国各地で相次ぐ豪雨被害。一方でその雨を受け止めているダムに関して中国国営メディアによると安全性に問題はないものの水漏れやダムの変形が確認されていると報じています。

2020年7月20日、仏国際放送局RFIの中国語版サイトは、豪雨により警戒水位を突破している三峡ダムの安全性に疑問の声が出ていると報じた。記事は、豪雨により三峡ダムの水位が18日現在で160.17メートルに達し、警戒水位を15メートル余り超えていると紹介。下流への放水量が増加する中で、これを上回るペースでダムに水が入っており、21日には再び大規模な水の流入が予想されていると伝えた。

Record China
中国では現在『長江2020第2洪水』などと呼ばれている大雨が発生しており、各地で川の氾濫などが発生していることはご存じの方も多い思います。一方で、雨が流れ込む三峡ダムに関してその水位が過去最高となっており、警戒水位を超えた水位に達していると言われています。

これに関して、国営の新華社は18日時点で「主な数値は正常範囲内で、各種安全指標は安定している」ことを強調した一方で、三峡ダムに位置のずれ、漏れ出し、変形などが発生していることがデータによって明らかになったと報じたとしています。


具体的な水位については19日午後8時に164.18mに達したといい、これは運用開始以来で過去の最高水位163.11メートルを超ているとのこと。ただ現在は増水の峠は超えたとしており、今後水位は低下することが予想されます。

三峡ダムは70万kW発電機32台を設置し2,250万kWの発電が可能な世界最大の水力発電所でもあり、その発電能力は原発16基分に相当すると言われています。したがって貯水量も桁違いとなっており、ダム湖は全長570km、貯水量は393億m³でこれは日本の琵琶湖の貯水量275億m³を軽く越える量となっています。

ちなみに中国では1975年に大雨によりダムが次々に決壊し、関連死を含め数十万人が死亡したという板橋ダム決壊事故(河南“75・8”溃坝事件)が発生しています。