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民間宇宙開発企業、スペースXが運用を目指す宇宙船『スターシップ』について、開発前段階となる試験機に関して高度150mの飛行試験が実施され成功したと報じられています。

NASASpaceFlight.comによると現地時間8月4日、テキサス州にあるスペースXの試験場からスターシップ SN5 (シリアルナンバー5)による高度150mへの飛行試験が実施され、約40秒間の飛行試験に成功した報じられています。

Starship SN5 conducts successful 150-meter flight test - NASASpaceFlight.com



スターシップ SN5にはスペースXが新たに開発した液体メタンを燃焼する次世代エンジン『ラプター』を搭載。SN5にはラプターエンジン(シリアルナンバー27)を1基搭載しており試験では燃焼し150m程度まで高度をあげ着陸脚を展開し着陸を実施しました。
スペースXが実際の運用で用いる宇宙船スターシップには合計6基のラプターエンジン搭載。スターシップに更に第一段ロケット『スーパーヘビー』を搭載することで、全長50mの宇宙船に最大で100人を搭乗させることができるという桁違いの運搬能力を目指しています。


今回の試験ではスターシップ SN5は離陸後まもなく画面右側にスライドしていることが確認できるのですがこれは想定されていたもので、本来SN5には3基のラプターエンジンを搭載することになっていたものの1基のみ搭載されました。これにより機体の中心軸よりもずれた位置にエンジンノズルが設置されたことで離陸時にバランスが崩れたことが理由です。エンジンには推力偏向機構が搭載されているため直ちに姿勢が戻され無事に着陸することができました。

▼スターシップ(想像図)
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今後の予定としては今回の試験が評価された後に次なる飛行を実施し、より高い高度まで上げる可能性があるとのこと。現在シリアルナンバー6は完成しておりシリアルナンバー8ではラプターエンジンも3基搭載。ノーズコーンなど本格的な打ち上げを行えうよう空力面も考えた構成で製造されるとのことです。