
アメリカの民間企業スペースXが構築を目指している全地球規模の衛星インターネット網構築計画について、現在アメリカで先行的に行われている試験段階におけるインターネットの接続速度など非公開のデーアが公開されていると報じられています。
アメリカの民間宇宙企業・SpaceXが推し進めている、1万基以上の人工衛星を使ってインターネット接続環境を地上に提供する計画「Starlink」はすでに500基以上の人工衛星を打ち上げ、承認手続きも行い、一部地域ではベータテストが可能な段階となっています。そんなStarlinkによるインターネットの速度テスト結果が、掲示板サイト・Redditでリークされています。現在インターネットに接続するにはスマホであれば3G、4Gまた5Gといった地上の無線電波、ご家庭であれば光ファイバーや電話回線、ケーブルテレビなどいくつか種類があります。一方、スペースXが世界で運用を目指しているのは衛星テレビのようにアンテナ(フェイズドアレイアンテナ)を宇宙に向けて設置し、人工衛星を介してインターネット網に接続するという高速インターネット『スターリンク』です。
GIGAZINE
▼ロケットのフェアリングに収められたスターリンク衛星

スペースXはこの衛星インターネットの網の構築に向けて大量の人工衛星を既に宇宙空間に展開しておりその数は既に600基あまり。既に人工衛星を保有する企業としては世界一位となっており、アメリカでは運用開始前の試験が続けられています。
今回紹介するのはこのスターリンクの試験に参加している人物が公開した現時点でのインターネット接続状況です。
▼地域におけるスターリンク接続品質

記事によると、公開されたデータではワシントン州シアトルおよびカリフォルニア州ロサンゼルスにおけるネット接続についはダウンロード11~60Mbps、アップロード5~18Mbps。またオンラインゲームなどで注目される遅延時間(Ping)は31~94msとなりました。
スターリンクは現時点では600基あまりが宇宙に展開されており、今年中にサービスを開始すると発表しています。その後、合計で12,000基あまり人工衛星を宇宙に投入し続けます。想定されている費用についてはフェイズドアレイアンテナが1万円から3万円程度、利用料金は月額5,000円~6,000円程度です。接続速度は『帯域保証型』の1Gbpsなどとしています。
現時点における接続品質は既存のネット接続速度から考えると速いとは言えないのですが、スターリンク自体が正式運用状態ではなく人工衛星の数も極めて少ない状態であるため、今後品質は更に向上していくこと考えられます。