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アメリカの航空関連ニュースサイトによると先日、フロリダ州の国際空港で貨物機に積載された謎のフランス製空対空ミサイルが輸送され空港が一時閉鎖されるなどの騒ぎとなったと報じられています。

今月14日フロリダ州レイクランド・リンダー国際空港で謎のフランス製空対空ミサイル『R.530』が発見され爆発物処理や地元の消防局による対応が行われ同空港が4時間にわたって閉鎖状態となった事件が報じています。

Live French Matra Super 530 Air-to-Air Missile Discovered At Lakeland Linder International Airport, Florida. – The Aviationist

記事によると、最初にこのミサイルを発見したのはドラケンインターナショナルという企業の従業員です。この企業はアメリカ軍及びその同盟国に対して仮想敵国の相手として戦闘機やパイロットを提供しているような企業とのこと。

同社によると従業員は「到着した貨物を検品している際に爆発物と考えられる対象を見つけ通報した」と公式に発表しています。その後、規則に則り施設をその周辺の人を避難させ当局に直ちに連絡することを決めたとのこと。またいくつかの記事ではこのミサイルはドラケンインターナショナルが契約する航空機によりこの空港に空輸されてきたと記載されています。


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ツッコミどころがいくつかあるのですが、軍事系ニュースサイトによるとミサイルのコンテナのマーキングから輸送物はヨルダン空軍で運用されていたものの可能性が高いといい、生産されたのは1982年製としています。

一方で、軍の爆発物処理班はドラケンインターナショナルから「誘導ミサイルを発見したと通報があった」としており、現在ミサイルは軍により回収され適切に基地内で保管されているとのこと。ミサイルの状態については「生きていたが無力化された状態だった」と話しています。この表現については「部屋に弾が入った銃が安全な状態で置かれていたようなもの」と説明しています。
もっとわかりやすく表現すると戦闘機に搭載すれば運用可能な状態だったということです。

現時点でどのような経緯でミサイルがアメリカに輸入されたのかは一切明らかになっていません。ただ実はこのミサイルはフランスが運用していたミラージュF-1戦闘機の標準的な兵装の一つで、ドラケンインターナショナルは仮想敵国の戦闘機としてアメリカでミラーズF-1を運用していたといい、何らかのやり取りのミスで補修パーツ以外にも兵器も欲しいと相手に誤って伝わったか、または相手が誤って発送してしまった可能性が考えられます。

ちなみにR.530は2019年7月にもイタリアで押収されており、偶然にも同じミサイルが密輸された事件と関連してるのかについても明らかになっていません。

▼2019年7月イタリアで発見されたR.530
R.530




R.530はフランス空軍のミラージュIIIおよびミラージュF1、フランス海軍のF-8E用の短射程空対空ミサイルで1957年に開発が始まりました。その後、実戦配備しフランスは世界中に戦闘機を売る過程で合わせてこのミサイルも販売。生産数は合計で4000発以上。1970年代まで運用されており現在も運用している国があるのかは不明です。運用国はイスラエルやオーストラリア、アルゼンチン、エジプトまたイラクやヨルダン、レバノン、パキスタンなど15カ国です。

R.530には1963年に初試験された初期型のR.530、1980年に初試験されたスーパー530 F、1987年に初試験されたスーパー530 Dの3があります。
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