ナノダイヤモンド自己充電池

スマホをはじめ多く電子機器に搭載されている蓄電池。これらは定期的に充電しなければならないという手間があるのですが、最大で2万8000年ほど一切充電を必要とすること無く電力を供給し続けることができるナノダイヤモンド自己充電池が開発されたと報じられています。

カリフォルニアのNDBという企業は炭素14という放射性同位元素を原料にした『ナノダイヤモンド自己充電池』に関して概念実証を完了していると主張し、新型コロナウイルス感染拡大が終了次第研究を再開し商用プロトタイプを開発する準備が整っていると報じられています。

Nano-diamond self-charging batteries could disrupt energy as we know it

記事によるとこの謎の電池は将来的に2年後に低出力バージョンが供給できると見越しており、高出力版は5年後といい、現在同様の技術を開発してる競合他社よりも一歩先を言っていると主張しています。

さて、いろいろヤバそうなことは性能からもわかるのですが、いったいどのような仕組みになっているのでしょうか。ナノダイヤモンド自己充電池は大雑把にいうと原子力電池に分類されるものと考えられ、この放射線を出す『炭素14』がキモになっています。この炭素14は放射線を出す一方で電子も出しているといい、この電子を利用することで私達人間の寿命を遥かに超える時間、電力を供給することが可能だとしています。


ではこの炭素14はどこに手に入るのか。もちろんホームセンターやドラッグストアで売っているようなものではなく黒鉛を減速材として用いる原子炉『黒鉛炉』で生産されます。黒鉛炉では長期間稼働させた後に減速材の炭素が放射性を帯びた炭素14となります。つまり炭素14自体が廃炉後に放射線を帯びた放射性廃棄物、核のゴミです。

この炭素14からダイヤモンド構造の炭素14ダイヤモンドを作り放射線の外部漏れなどを防ぐ他、半導体やヒートシンクとしても機能しており合わせて電荷を収集し外部に伝えるというものになっているとのこと。
完全に放射線はカットすることはできないものの商用モデルでは人体が出す放射線よりも低く様々な電子デバイスで利用可能だとしています。例えばペースメーカーなどバッテリー交換の手間から患者を救うことができたり、電子回路にチップとして組み込むことでデータを保存するなど電力源にもなるとのこと。

もちろんダイヤモンド構造で覆ったとしても炭素14は存在していることは事実です。いくら長期間電力を供給できたとしても他の電子パーツの寿命が先にきてしまい結局は10数年もしないうちに廃棄されることになります。その場合、回収はいったい誰が行うのか。そのような懸念からも仮に運用できたとしても業務用や医療用に限られると考えられます。
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