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ネット通販サイトでは商品のレビューが記載できるところがありますが、そのレビューは当然これから買おうとする人には貴重な情報源になります。一方で企業から提供された商品、また金銭を渡した上で記載されたものではないかという指摘も多く寄せられているのですが、今回も報じられたこともそれを証明する内容となりました。

イギリスのThe Vergeなどによると、イギリスの通販サイト『アマゾン』におけるトップレビューアー、つまり商品に対して最も多いレビューを付ける人物について調査したところ、なんと10人のうち7人が報酬をもらったうえでレビュー行う企業案件を投稿していたことが明らかになったと報じています。

Amazon takes down a five-star fraud in the UK - The Verge

この企業案件とは言い換えれば企業からレビューしてほしいなどと依頼され、商品と合わせて金銭などを渡され例えばアマゾンなど大手通販サイトでレビューを行うというものです。これはある種のステルスマーケティングなどと呼ばれていたもので企業から依頼されたもの(企業案件)と記載せず、あたかも自分が購入したとみせかけ他人に「素晴らしい商品だ」と媒体を通じて広告・宣伝することです。過去日本のブログでも発覚し有名芸能人が干されるなどの事案が発生しています。


記事によると、アマゾンで大量のレビューを書き込んでいたトップレビューアーの詳細として、この人間は1日あたり6件いずれも高頻度で5つ星のレビューを書き込んでいたといい、その多くが中国製品に偏っているというものでした。またこの間レビューした商品の総額は日本円で210万円に達していたとのこと。

問題はそれだけではなく、なんとこの人間は企業案件の商品をネット通販サイトで販売していたことも明らかになっており、こちらの額は日本円で280万円相当に達していたとのこと。そして商品を「新品」などと偽り販売していたことも指摘されているとのこと。

明らかに異常なことになっているのですがイギリスのアマゾンにおけるトップレビューアー10人については実際は9人が報酬を受けるなどしてレビューを書き込んでいた可能性が高いと見ており、いずれも中国企業の製品に対して大量のレビューを行っていたとしています。

アマゾン以外でも相次ぐ企業案件

この手の企業案件については事実に基づき客観的なレビューができればいいものの報酬をもらっている以上、悪い点を書き込む事ができないという問題が必ず生じます。通販番組に登場する有名人が「この食べ物はマズい!」、「どうしようもない商品だ」などと言う人は存在しないように、実際は良い評価を付けてもらうことが前提に行われているということになります。

この手の企業案件は実はアマゾンなどの通販サイト以外も最近はYoutubeで活躍する人物に対しても強力に行われており、有名企業が無料で貸し出しを行ったりレビューを投稿してもらうというものが様々な分野で確認されています。もちろん企業案件(広告や貸し出し)と記載した上で行うことについては規約上の定めが無ければ通販番組のように問題がある行為ではないものの、実際は違反すれすれのところで行われているものも多いというは認識しておく必要があります。