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NASAは最近、アメリカとソ連(ロシア)以外持ち帰ることができていない月の土について買い取るという方針を発表しました。

SPACE.comによるとNASAの長官が最近発表したブログ記事として、アメリカもしくは海外の民間企業から2024年までに50~500gまでの月の土(レゴリス)を入手し、NASAが買い取り所有権を譲渡させることを求めていると報じています。

NASA wants to buy moon dirt from private companies | Space

既にアメリカはかこのアポロ計画で382,000gの月の土(石など)を持ち帰っています。なぜいまさら月の月を購入すると発表したのかについては、主な理由として月面資源の採取と販売を促進し正常化することだと説明しています。例えば民間企業が50gを遥かに超える量を持ち帰る事ができた場合、NASA以外の機関にも売ることができるだろうと説明しています。

NASAが買い取る価格については15,000ドルから25,000ドルとしており、購入については事前申請で申請者に対して契約時に支払額の10%、ロケット打ち上げ後に10%、残りの80%はサンプルを渡された後に支払うとしています。


▼アポロ15号が持ち帰ったジェネシス・ロック
ジェネシス・ロック

月の土壌のサンプルリターンについては記載されているようにNASAが382,000gと桁違いの量となっており、これは全てアポロ計画時に行われたものです。それ以外としてはソ連のルナ計画で無人探査により持ち帰った例で量としては326.1gです。サンプルリターンは技術的にも難しく地球から最も近い月の土についてもアメリカとソ連が行った分しか存在しません。(隕石は除く)

この価格についてはロケットの打ち上げ費用だけで数十億かかることを考えてもあまりに安すぎると思われるのですが、今後契約する企業が現れるのか。いずれに期限を2024年までと設定しており時間的な問題もあるため現在から無人機を開発しても当然間に合いません。NASAとしては「月開発や月の土に価値がある」ということをアメリカの納税者に対して目を向けせるためのよくあるパフォーマンスに過ぎないように感じます。