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2024年以降のアメリカを中心とした月面有人着陸が計画されています。これに合わせ月着陸船の開発もすすめられいるものの、その一つダイネティクス案について1回のミッションで合計3基のロケット打ち上げが必要な他、軌道上で燃料補給を必要とするなど困難が予想されると指摘されています。

アルテミス計画としてアメリカを中心に日本を含めた西側各国はこれに参画し2024年以降に人類の再月面着陸を実施する予定です。この計画は当初想定されたものよりかなり変更が加えられており、現在はまずは軌道上の小型宇宙ステーションは利用せず直接月面探査を行う方向で進められているとされています。また月の北極または南極に着陸するとしていたものの、現在はより簡単な赤道に着陸するも示唆されています。(参考)

Лунный посадочный аппарат Dynetics потребует дозаправки на орбите Земли

アメリカでは月面有人着陸に向けて現在3つのチームが着陸船の開発を続けています。ただ、NASAとしてはほぼ内心決定となっていると考えられており、これはナショナルチームでアマゾンでおなじみのジェフ・ベゾス氏が設立したブルー・オリジンとロッキード・マーティン、ノースロップ・グラマン、ドレイパーがそれぞれ開発を分担するチームです。
残りは現在世界最大のロケットを運用するスペースX、そして今回紹介するダイネティクスです。

▼動画で解説


ダイネティクスはスペースプレーン、ドリームチェイサーを開発してるシエラ・ネヴァダ・コーポレーションとタッグを組んでいます。一方で、開発している月着陸船の打ち上げには難点がありロケット1機で着陸船本体を打ち上げることができるものの、さらに2機のロケットを打ち上げ軌道上で燃料補給を行わなければならないと指摘されています。

ダイネティクスの月着陸船はNASAが運用するSLSブロック1Bで打ち上げることで補給問題の解決を図ろうとしたものの、現在この案は難しく結果的に現在開発中のバルカンロケットを3機を用いて月着陸船を打ち上げ軌道上で補給を行うという実証されていない技術を取り入れる必要があるとしています。


これは軌道極低温給油などと呼ばれているもので、仮に液体水素を補給する場合は宇宙空間では液体水素の温度を維持することが難しいため、3機のバルカンロケット打ち上げ間隔は14~20日で実施する必要があるとのこと。このような短期間の高頻度の打ち上げはアメリカが運用しているアトラスロケットやデルタ4ヘビーでも行われたことはなく、技術面も運用コストの面でも非常に問題が出てくる可能性があります。

ナショナルチーム、スペースX、ダイネティクスのそれぞれの案は今後冬までに月面有人着陸のプロジェクトの詳細をNASAに提出することが求められています。最終的な契約に向けて次のステージに進むことになるのですが、残念ながらダイネティクスは脱落する可能性が示唆されています。
ただし、ダイネティクスの軌道上での燃料補給が実現可能となった場合は、将来月で氷を掘削し液体水素と液体酸素を補給するという未来の技術に応用できる可能性が考えられます。
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