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先日、韓国人の公務員が20km離れた北朝鮮沿岸まで泳いで越北したという理解しがたい事件について、当時の状況として韓国軍は北朝鮮側の無線内容を傍受しており、上層部が射殺するよう命令していたこともリアルタイムで聞いていたことが分かったとしています。

韓国の複数メディアによると、国会国防委員会と情報委員会の関係者の話しとして、国防部が提出したレポートの内容によると47歳の海洋水産部漁業指導船の船員が泳いで北朝鮮の登山岬という現場から20数キロkm離れた近くにたどり着いた所謂一連の越北事件で北朝鮮軍の将校が越北者を射殺するよう無線で命じていたことが分かったと報じています。

"사살하라고요? 정말입니까?"…군, 북 통신 듣고 있었다 | SBS 뉴스

記事によると越北したと韓国政府が断定している公務員Aさんについては22日午後3時30分前後に北朝鮮の船舶に乗った人により発見されたといい、この時点で韓国軍は北朝鮮の無線内容を傍受していたとのこと。国会国防委員会によると韓国軍の傍受能力については、該当する地域を正確に設定することができれば相手の無線通信内容を最大90%まで把握できる高性能のものだと説明しています。

▼Aさんが越北した当時の位置。10km先の南北境界線を超えさらに10km以上先の陸地付近で発見されたとしてる。
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その高性能の傍受システムを用いた結果、北朝鮮は「Aさんを発見された当時、身分を明かさなかった」などと説明していたことに対して韓国側は、Aさんは越北の意思を伝えていた事実を傍受した無線通信で具体的に確認できたと説明しました。したがって北朝鮮側が説明しているような、80m先から「韓国の誰々だ」とごまかしていたという内容は事実ではないと判断しているとのこと。

また、当時北朝鮮側はAさんをロープをつかって陸に引っ張ったものの見失っていたといい、それから2時間後に再び捜索していたという内容も記載されています。


その後、状況が変わったのは22日午後9時40分頃だったといい、北朝鮮海軍の司令部を通じて越北者を射殺しろという命令が下されたと記載されています。その無線では「射殺しろ?本当か?」と聞き直す内容も含まれていたといい、その後、命令に従い射殺したとのこと。

この内容については、当時韓国大統領府に直ちに情報が伝えられたもののムン・ジェイン大統領側に伝えられたのは翌日23日午前8時30分だったとしています。理由はバラバラに送られた内容を分析するのに時間がかかったと説明しています。

国防委関係者は「傍受を通じて射殺命令をリアルタイムで聞いていたとすれば、この内容は直ちに大統領に知らせるべきだった」とし「夜明けに県警閣僚まで招集した大統領国家安保室がコントロールタワー機能を全く果たしていない」主張しています。


記載内容は以上になるのですが、最初に感じた感想としてはこれまで発表されてた韓国側の主張や行動、また北朝鮮側の発表と行動にはいくつもおかしな点があることに気づきます。特に韓国側は記者会見で「射殺は現場の判断で行われた」「上層部は携わっていない」という趣旨の明確に発表していました。しかし、その後「上層部が射殺の命令を下していた」と主張が一転しています。ただ、列挙された内容については証拠となる根拠、つまり無線内容自体は公開されておらず、あくまで主張レベルにとどまっているという点には注意が必要です。