アメリカ、シアトルに本社を置くUltra Safe Nuclear Technologies(USNC-Tech)は月及び火星に迅速な輸送を行える新しい推進コンセプトとして熱核推進エンジンの設計コンセプトをNASAに提出したと発表しました。
莫大な推力を発生させるロケットエンジン。現在は酸化剤と燃料の2つを化学反応させて推進力を獲ているのですが、今回USNC-Techが発表したのは現在運用されている化学ロケットよりも更に2倍の比推力があると主張しています。
Ultra Safe Nuclear Technologies Delivers Advanced Nuclear Thermal Propulsion Design To NASA
今回発表したのは核熱推進(NTP)飛行のデモンストレーションに関する研究の一環として、NASAに設計コンセプトを提供したというもので、USNC-Techの親会社USNCが開発した完全セラミック核燃料(FCM燃料)の核燃料設計と運用上の安全対策の進捗により新しい核熱推進コンセプトを設計することができたとしています。特に同社は安全性と設計の柔軟性を強調しており、NASAが進めようとしている地球軌道を外れた月や火星探査ミッションへの熱核推進システムの拡張性を実現するうえでも重要な一歩になると主張しています。
▼FCM燃料
核熱推進システムのコンセプトは一般的な原子炉で用いられるウラン235より濃縮度が5~20%と高い低濃縮ウラン(HALEU)は完全セラミック核燃料という非常に頑丈で宇宙飛行士の安全性を保証するとしており、完全セラミック核燃料を用いることで従来核熱エンジンは高濃縮ウランでしか達成できなかった推力を提供することができるとしています。
具体的な性能については従来の化学推進システムと比較し比推力が2倍に増加。これにより輸送可能なペイロードの質量が拡張されます。その結果、NTPはまったく新しい宇宙輸送を提供し重量のある宇宙船を深宇宙(例えば火星)の目的地に迅速に移動できるようにします。現在の核熱推進では火星までの到達はわずか3か月、90日間程度と見積もっており、片道250日前後かかるという現在のロケットよりも迅速に飛行することができるとしています。
以上が、ニュースリリースになるのですが、一方でNASAも火星への有人探査については2019年10月にNASAの長官が原子力ロケットである核熱推進を搭載したロケットの必要性を訴えており、長期間におよぶミッションを成功させるためにも、往復500日を超えるよなミッションで宇宙飛行士が晒される有害な宇宙線から守るためにも高速で移動可能な核熱推進が有効だと主張しています。
核熱推進自体は1960年代~70年代には既に実用型のエンジン『NERVA』がアメリカで開発されており、実現可能な技術の一つとされています。
Ultra Safe Nuclear Technologies Delivers Advanced Nuclear Thermal Propulsion Design To NASA
今回発表したのは核熱推進(NTP)飛行のデモンストレーションに関する研究の一環として、NASAに設計コンセプトを提供したというもので、USNC-Techの親会社USNCが開発した完全セラミック核燃料(FCM燃料)の核燃料設計と運用上の安全対策の進捗により新しい核熱推進コンセプトを設計することができたとしています。特に同社は安全性と設計の柔軟性を強調しており、NASAが進めようとしている地球軌道を外れた月や火星探査ミッションへの熱核推進システムの拡張性を実現するうえでも重要な一歩になると主張しています。
▼FCM燃料
核熱推進システムのコンセプトは一般的な原子炉で用いられるウラン235より濃縮度が5~20%と高い低濃縮ウラン(HALEU)は完全セラミック核燃料という非常に頑丈で宇宙飛行士の安全性を保証するとしており、完全セラミック核燃料を用いることで従来核熱エンジンは高濃縮ウランでしか達成できなかった推力を提供することができるとしています。
具体的な性能については従来の化学推進システムと比較し比推力が2倍に増加。これにより輸送可能なペイロードの質量が拡張されます。その結果、NTPはまったく新しい宇宙輸送を提供し重量のある宇宙船を深宇宙(例えば火星)の目的地に迅速に移動できるようにします。現在の核熱推進では火星までの到達はわずか3か月、90日間程度と見積もっており、片道250日前後かかるという現在のロケットよりも迅速に飛行することができるとしています。
以上が、ニュースリリースになるのですが、一方でNASAも火星への有人探査については2019年10月にNASAの長官が原子力ロケットである核熱推進を搭載したロケットの必要性を訴えており、長期間におよぶミッションを成功させるためにも、往復500日を超えるよなミッションで宇宙飛行士が晒される有害な宇宙線から守るためにも高速で移動可能な核熱推進が有効だと主張しています。
核熱推進自体は1960年代~70年代には既に実用型のエンジン『NERVA』がアメリカで開発されており、実現可能な技術の一つとされています。