
国内外の複数メディアによると、2021年1月14日夜 北朝鮮は第8回朝鮮労働党大会の記念行事として平壌の金日成広場で軍事パレードを実施しました。前回の軍事パレードからわずか3ヶ月あまりですが、北朝鮮は北極星5という潜水艦発射弾道ミサイルを開発したと主張しています。
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この北極星5についてはいったいどのような性能があるのか、そもそも北朝鮮では試射すらされていない兵器であり、そもそも兵器としての分類に入るのかも不明なのですが、今回大体的にわざわざ北極星5という文字を入れてまで発表しました。

Photo:新浪网
北極星シリーズはいずれも潜水艦発射弾道ミサイルという文字通り潜水艦で運用され、水中から発射するタイプになります。しかし、少なくとも2020年10月に実施された軍事パレードで登場した北極星4、そして今回の北極星5ではミサイルのサイズが西側やロシアのそれと同じようなサイズになっているものの、これまで何らかの試験が実施されたことはありません。しかも潜水艦の建造は進んでいるとされているものの新しい潜水艦発射弾道ミサイルが3ヶ月という短短期間で公開されたのかも謎です。

Photo:新浪网

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少なくとも言えるのは今回発表された弾道ミサイルそして当然3ヶ月前に発表されたものは、特にアメリカを意識して製造しただけのモックアップ(実物大模型)である可能性が極めて高いと考えられる点です。
これは過去にソ連がアメリカを引き合いにだすため新しいミサイル技術を獲得したと嘘の発表を行い、エンジンすらも開発されていない偽兵器を軍事パレードで披露したという流れと全く同じと考えられます。
何れにしても試験すらされていない兵器は実戦配備できるものではなく、その前に潜水艦すら完成していない状況からも仮にこれが本物の兵器だったとしても運用できる水準になるには数年から5年単位の時間がかかる可能性があります。
逆に言えば、現時点で運用することができず、飛ばすことができるかわからない兵器をあのような形で複数製造するということはそもそも考えられず、あのような形で披露したということは政治的な意味合いがそれなりに強いと見て良いと考えられます。