現在NASAが開発中の新型ロケットSLS、スペース・ローンチ・システムに関して地上に固定する形で第一段階エンジンの燃焼試験が行われたものの主要パーツが破損したことで燃焼試験が中断したと報じられています。
ミシシッピ州ベイセントルイス近くにあるNASAのステニススペースセンターで、先日SLSの第一段階エンジンを燃焼するテストが実施されました。
エンジンはRS-25というスペースシャトルに搭載されているもので、シャトルは3つだったものをSLSでは4つ構成にし打ち上げます。これにより熱の加わり方などがエンジンに違いが生じるため若干の変更が加えられています。
今回行われた試験はアメリカ東部標準時5:27(22:27 GMT)に行い液体酸素、および液体水素が燃焼をはじめました。しかし60秒あまり経過したところでエンジン停止。この間260万リットルを消費したものの、計画よりもはるかに短い時間で緊急停止となりました。
当初の発表で燃焼時間は485秒(約8分)としていました。今回の失敗に関して、詳しい原因はわかっておらず、発表ではメインパーツ(主要コンポーネント)の故障だと説明しています。海外メディアによると、設置されたカメラではエンジンにあるサーマルブランケットで閃光が確認されたとしています。
スペース・ローンチ・システム(SLS)は先日日本が正式参画したアメリカ主導の月軌道上の宇宙ステーション「ゲートウェイ」および一連のアルテミス計画の基盤となっているロケットであり、仮にこのロケットの開発に遅れが生じるとアルテミス計画全体の計画が遅れるということになります。
何れにしても現状でSLSの開発自体が既に遅れており、今回の失敗による影響や今後の試験も短期間で再開できるかが鍵になってくると考えられます。
参考