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最近、西側で開発されているのはロイヤルウィングマンと呼ばれる新しいタイプの無人航空機です。なんと有人機の僚機として一緒に飛行してミッションを行なうというものになっているのですが、イギリスがSpiritAeroSystemsと契約し開発を行なうと発表しました。

The United Kingdom signed a £30 million three-year contract to design and manufacture a prototype of the first “Loyal Wingman” Unmanned Aerial Vehicle (UAV) for the Royal Air Force. The company that was awarded the contract is Spirit AeroSystems, based in Belfast, Northern Ireland, and is set to take the lead of “Team Mosquito”, as the technology demonstrator project team has been called.

The Aviationist
記事によると、イギリス空軍とロイヤルウィングという次世代無人機開発の契約を行ったは北アイルランドに本社をおくSpiritAeroSystemsで、契約額は3,000万ポンド(約42億円)で3年間となっています。

この研究はモスキート計画とも呼ばれているらしく、同じ構想をいち早く発表し既に試験機の開発を行っている米空軍のスカイボーグ・プログラムに匹敵するものだとしています。イギリスのモスキート計画では機体サイズを大きくし軽量かつ手頃な新型戦闘機のコンセプトの一つとして運用するとしています。

このロイヤルウィング無人戦闘機は、戦闘機に随伴し高速で飛行するように設計されており、ミサイルや偵察、電子戦技術を搭載し敵を攻撃できるような力を提供するとのこと。

今後の予定としては2023年末までに試験機の飛行試験プログラムを実施すると発表しています。また2035年に新型テンペストが就役する前に、現在保有しているタイフーンやF-35戦闘機で運用する可能性があるとしています。

このモスキート計画では、最新のソフトウェア開発技術とイギリス全土の革新的なパートナーが提供する民間航空宇宙工学と製造の専門知識を活用し迅速な開発を行うとしています。したがって開発コストの削減、開発期間の劇的な削減を実現することが期待されています。また、最終的な航空機の設計は潜在的な敵に対して優位性を保つために、最新の技術で簡単かつ手頃な価格で更新することができるようになるとしています。

▼オーストラリア軍で開発が進められる同じタイプのロイヤルウィングマン


戦闘機というものが開発されて以来、この手のウィングマンと呼ばれる僚機は有人機だったのですが、これによりウィングマンは部分的に無人機に置き換え可能になる可能性があります。これまで通り有人機をウィングマンにした上でこのAIウィングマンの運用も可能であるため、何れにしても幅広い作戦で投入することができます。
有人機を無人機に置き換えることで戦闘能力はある程度維持しながら部分的なコスト削減が実現できる可能性があり重要な地域ではこれまで通り有人機、それほど重要ではない地域では無人機を僚機に使うなど全体的な航空戦力の見直しも図られる可能性があります。