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海外の大学が行った調査によると、本物の鎮痛剤と人体に無害な偽の鎮痛剤を模した偽薬に関して、600人を対象に2つの効果を確認したところ、特に大きく痛みが和らいだと回答した人は本物の薬と同じ神経メカニズムで効果が出ていたことが明らかになりました。

プラセボ効果(プラシーボ効果)―この手の研究を紹介していると必ずでてくるのが研究段階で行われるプラセボ効果の有無です。要は薬だと説明した上で、本当は全く治療効果の無いただの生理食塩水や薬のような白い塊を体内に入れたところ、中には本物の薬と同様の振る舞いをするということが知られており、本物の薬と偽薬の効果の差などを見るためにほぼ必ず行われています。

The Most Detailed Look Yet at the Neuroscience of Placebo Effects - Neuroscience News

今回研究を行ったダートマス大学は痛みを和らげる鎮痛剤に関して、プラセボ鎮痛(偽薬鎮痛)として知られる痛みを軽減するプラセボ治療が脳の複数の領域における痛みに関連する活動を軽減することがわかったと論文を発表しました。

研究では健康な600人に対して、研究者も被験者も本物の鎮痛剤かプラセボ鎮痛剤か分からない状態で接種してもらい、参加者全員にどのように痛みを感じているのか脳全体を高精度で調査するというこれまで行われていなかったような規模で行ったとしています。

その結果について、「私たちの調査結果は、プラセボで最も痛みの軽減を示したという参加者では痛みの構築に関連する脳の領域が最大軽減も示したことがしめされた」と説明しています。


「私たちはまだ脳がどのように痛みの経験を構築するかを学んでいるものの現時点で痛みというのは体の痛みを処理する脳の領域と動機付け、意思決定に関与する領域の混合であることを知っています。プラセボ治療(偽薬治療)は、身体からの初期の痛みのシグナル伝達に関与する領域の活動を低下させただけでなく、特に痛みに結び付けられていない動機付けの脳の伝達回路も低下させました」とのこと。
つまり、全く治療効果の無い水や砂糖の塊のような薬であっても私達の脳は痛みを和らげるということがわかったとしています。

研究全体としては本物の鎮痛剤と偽の鎮痛剤を射った参加者が痛みが和らいだことを示していたといいいます。しかし、チームは脳がプラセボ(偽薬)で有意義な方法でどう反応したか調査をしたかったといいます。

今回の研究で明らかになったのは、『痛みの感覚』に最も重要な視床の部分(ししょう:脳の中心部にある組織)がプラセボによって最も強く影響を受けたことを示していたことが明らかになったといいます。
さらに、痛みを伴う経験の初期処理に不可欠な体性感覚皮質の部分も影響を受けていました。プラセボ効果は大脳基底核にも影響を及ぼしており、この部位は私達の『動機付け』『痛み』、『その他の経験』を行動に結び付けるために重要な部位とされています。

研究者は「プラセボ(偽薬)は、あなたが痛みをどう感じるか、あなたをどうやる気にさせるのかその方法に影響を与える可能性がある」と話しています。
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