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うつ病、依存症、強迫性障害、その他の症状の治療などに使われている向精神薬。つまり不安なことがこの薬を飲むことで治るというものになるのですが、最新の研究によると接種した人の思い込みで効果が出ている可能性が高いことがわかったとしています。

科学ジャーナル、イーライフに掲載さ論文として、サイケデリックスという向精神薬全般に関して、その薬の治療効果は実は、私達人間が心理的利点を思い込むことで生じるプラセボ効果(偽薬効果)によって説明される可能性が最も高いことがわかったとしています。

Placebo Effect May Explain Reported Benefits of Psychedelic Microdoses - Neuroscience News
*抄訳したものを掲載しています。必ず引用元を確認してください。

今回行われた向精神薬に関する研究はプラセボ対照試験(本物の薬と偽薬による効き目に関する試験)で、革新的な「自己盲検 市民科学(‘self-blinding citizen science’)」というアプローチを使用しました。このアプローチでは、一般市民がオンラインの指示に従って独自のプラセボ対照を実施するというものです。

サイケデリックス薬(向精神薬)はうつ病、依存症、強迫性障害、その他の症状などいわゆる心の病気の治療に用いられるものです。

これまで向精神薬の微量投与(週に1〜3回服用する少量のサイケデリックス薬)では人々の幸福感、創造性、および全体的な認知能力を改善する可能性があることを示唆した小規模な研究はほとんどおこなわれていませんでした。
しかし、多くの研究ではこれらの良い結果が『薬の作用』なのか、それとも『参加者の利益への期待』すること、つまり偽薬を使用した思い込みによる効果なのか判断するための対照試験が不足していたとのこと。


結果、今回行われた180人を対象に行った研究では、本物の向精神薬を服用していた参加者と、無意識のうちに偽薬を服用していた参加者も同様に心理的利益(気持ちが安らぐなどの効果)を報告しました。

プラセボ効果を説明する時は、流行のダイエット、サプリメントの使用など、社会的圧力による効果や個人の期待感が強力なプラセボ反応(偽薬効果)につながる可能性がある傾向を評価するときに重要だと説明しています。

今回の研究に関して研究者は「これらの発見は、恩恵が『薬』によるものではなく、プラセボのような期待効果によるものであることを示唆しています。偽薬を服用している間に良い効果を経験したと報告した多くの参加者は、研究後に本物の薬を服用していなかったことを知ってショックを受けていた」と話しています。