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海外メディアによると日本で言うJAXAにあたるロシアのロスコスモスは中国の中国国立宇宙局と共同で月軌道上もしくは月面に宇宙ステーションを建設する覚書を交わしたと報じました。

ロスコスモスのプレスリリースとして、今月9日『ロシアと中国は、月面基地の創設に関する覚書に署名した』という内容を発表しました。

Роскосмос. Россия и Китай подписали меморандум о создании лунной станции - Новости - Госкорпорация «Роскосмос»

これによると、建設されるのは国際科学ステーション(MNLS)というもので、月の探査と利用、月の観測、基礎研究、または多目的研究などを行う目的に建設されるというもので、現時点で月面上に建設するのかもしくは軌道上に建設される実験研究施設複合体とし、月に人間が滞在する可能性を秘めたもので運用としては長期間の無人による実験とその技術検証を行うとしています。

双方は今後MNLSの作成のためのロードマップを共同で作成するとしており、プロジェクトの計画、正当化、設計、開発、実装、運用において緊密な関係を築くとのことです。

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中国の宇宙開発

中国の宇宙開発はアメリカとソ連の有人月面着陸レース以降、月面に探査車を送り込むなど将来の有人月面着陸に向けた技術の獲得を進めています。一方で、アメリカを中心とした日本や西側各国はゲートウェイという月軌道上に宇宙ステーションを建設することで合意。有人月面着陸、そして将来の有人火星探査を行うとしています。

この計画について欧米各国とは距離を置くことになったのはロシアです。これは欧米とロシアの政治的な問題もあり、特にアメリカではロシアがウクライナのクリミア半島を強制的に併合したことを受け関係が悪化。アメリカで運用されているロケットでロシア製エンジンを使用しないなど、国際宇宙ステーション以外の協力は事実上行っていないとされています。

また中国についても中国国立宇宙局の組織自体が人民解放軍と分離できておらず、宇宙開発に携わる人間がそもそも人民解放軍と強い関係性をもっています。そのため、宇宙の平和利用という点で問題があるとされており、これまでロシアを含め欧米各国は中国とは協力をしないという態度を取り続けていました。

しかし、事実上欧米のゲートウェイにも参加することができず、ロシアは単独で月を目指すこともできないため結果として中国とタッグを組むという道を選んだということになります。