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様々な病気を媒介する蚊。人類以外の動物で最も多くの人を死に追いやっていると言われているのが蚊なのですが、これに関して、ロシアの国立大学が蚊をトラッキングしてレーザービームで迎撃するというシステムを開発しました。

蚊はマラリア・デング熱・ジカ熱などの病気を媒介する衛生害虫で、毎年全世界で殺人事件による死者の2倍に相当する70万人以上を死に至らしめています。そんな蚊をマシンビジョンと機械学習で検出し、レーザー照射で焼き殺すというRaspberry PIマシンが開発されました。

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この装置を開発したのはロシア・南ウラル国立大学の研究チームで、この手の装置はこれまでも開発されていたのですが、異なる点とし「ディープラーニングにより蚊を見分けてレーザーを自動照射するマシン」だといいます。

あくまでこの装置は概念検証用の試作機としているのですが、蚊を見分けるために搭載しているのはソニー製のイメージセンサーからなる専用のカメラです。さらに検流計と迎撃用のレーザーは1Wのものだといいます。

迎撃するまでについては、カメラにより蚊を発見し、不規則に動く飛行パターンを予想しレーザーを照射するというものになっており、空中で撃ち落とすようなものになっているとのこと。

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これにより蚊を的確に撃ち落とすことができるらしいのですが欠点も存在します。このシステムはゲーミングPC並の処理速度が必要になります。そして研究では確かに空中にはいるもののケース収められた限られた空間で距離自体も1mも離れていない状況でした。その状況でも蚊にレーザーが命中して死ぬ確率は5割り程度しかありませんでした。

研究チームによると「屋外でも使用可能だ」としているものの現時点でそのようなことが言えるような性能は無いと考えられます。当然ながら、被害がでているような発展途上国で運用できるようなものでもないため効果は限定的と考えられます。


この手のレーザーを用いた装置は数年前にも開発されているのですが、実用化には至っていないことを考えると、殺虫剤よりもコストパフォマンスに優れず効果も見込めないことに理由があると考えられます。