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宇宙から地球に落下する宇宙ゴミの中には人工衛星を打ち上げたロケットも含まれるのですが、これに関して今年3月4日に打ち上げられたロケットの残骸がアメリカのワシントン州に落下したと報じられています。

Space.comによると、落下したのは太平洋に面するアメリカ最北西部、カナダとの国境に位置するワシントン州中部グランド郡の農場で発見した日時は2021年4月2日だったといいます。

Debris from SpaceX rocket launch falls on farm in central Washington | Space

グラント郡保安官事務所によると、回収された物体は、フロリダのNASAのケネディ宇宙センターから打ち上げられた、SpaceXが構築を目指すスターリンクと呼ばれる一連のインターネット衛星を打ち上げるミッションのものだといい、打ち上げが行われたのは3月4日。ファルコン9ロケットの第2ステージに搭載された複合オーバーラップ圧力容器(COPV)としています。

複合オーバーラップ圧力容器(COPV)は何なのかについては、今回落下したものについてはロケットの第二段目に搭載されているもので、内部の液体ヘリウムを使うことで推進剤を加圧させるものになります。

農場で発見された複合オーバーラップ圧力容器(COPV)は長さ1.5mあるといい、地面に10cmの衝突痕をのこしたとのこと。

なぜ今回このようなトラブルがあったのかについて、当該記事によると、3月4日の打ち上げ後、エンジンの燃焼が不十分で上段、つまり第二段が通常よりも長く燃焼を行っていたそうです。そのため、安全な地域に制御する方法で落下させることが難しく、結果的に今回地表に落下したと考えられています。

この落下の様子はワシントンだけでなく周辺の州やカナダの一部から目撃されていました。


本来、第二段目は意図的に地球に落下させるかそのまま軌道上に残り、時間の経過と共に地球に落下してきます。SpaceXは通常は軌道離脱燃焼を実施し太平洋の安全な空域、海上に落下させるものの、今回はそれが十分な燃料は消費しまい制御が難しい状態だったとのことです。