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有人宇宙飛行を実施するなど宇宙開発に力を入れている中国。この分野に関して、かつてアメリカに追いつこうとして崩壊したソ連が存在しますが、それと同様に相当な投資をしていることは間違いありません。そして最近、中国最大のロケット製造業者、中国運載火箭技術研究院がマスドライバーで離陸するスペースプレーン、そしてスターシップのような巨大宇宙船の構想を明らかにしました。



こちらがCALT、China Academy of Launch Vehicle Technology、日本語では中国運載火箭技術研究院が作成したイメージ映像です。このイメージには2つの宇宙船が登場します。1つはアメリカのスペースXが運用を目指すスターシップを用いた弾道旅客輸送サービスです。

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スペースXとほぼ同じ構成のロケットで人を乗せて打ち上げ

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1段目は分離し地球に帰還。

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客室の様子

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そして他の都市に垂直で着陸します。構想は全てスペースXのスターシップと同じです。

次はマスドライバーで打ち上げるスペースプレーンです。
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電磁力でカタパルトのように打ち上げるのはスペースプレーン。高度は2kmから始まるため高所に基地を建設するものと考えられる。

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マッハ3、高度3kmほどで離陸。

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大気圏内はスクラムジェットエンジンで飛行

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宇宙空間ではロケットエンジンモードで飛行。これはイギリスのイギリスのリアクション・エンジンズにより発案されたセイバーエンジンのような構造になるのではないかと考えられます。

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そして滑走路に着陸。

いくつかツッコミどころがあるのですが、特に後者のマスドライバーにより打ち上げるスペースプレーンに関しては、着陸先でも同じようにマスドライバーを建設しなければならず、あまりに非効率です。

ちなみに先程紹介したイギリスとアメリカが現在共同で開発を進めているセイバーエンジンについては通常の滑走路から宇宙空間に飛び出せる設計になっており、飛行速度はこれまでは大気圏内ではマッハ5、宇宙空間ではマッハ25を想定しています。つまり中国のものは次世代の構想というよりも、現在実現可能な技術による構想というものになります。