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ロシアメディアによると、ロシア海軍が運用しているデルタ型潜水艦の派生型となるデルタIV原子力潜水艦に関して、2番艦となるエカテリンブルクが来年2022年に退役すると報じられています。

イタルタス通信によると、国内の防衛産業情報筋としてデルタIV原子力潜水 2番艦 エカテリンブルクが2022年中に退役し処分されると報じています。この内容はロシア海軍の公式発表ではありません。

Russian Navy to decommission Delta IV-class strategic nuclear-powered submarine in 2022 - Military & Defense - TASS

2番艦 エカテリンブルクは1984年に建造が開始され、13ヶ月後の1985年12月に進水。1988年2月に海軍に引き渡され就役しました。エカテリンブルクは以降36年間使用されていました。

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同艦は2011年12月末に、曳航船と衝突したことを受けて修理のためドックで作業が進めれれていた時に火災が発生します。当時、修理のため、この潜水艦の外殻に穴を開けようとしていたところ、安全規則を無視した作業が行われたことで火花が足場で出火。その後、潜水艦の防音ゴムに引火しました。
ロシア当局の発表として、鎮火するまで27時間燃え続け、艦首のソナー部分が全焼したものの原子炉の被害はなく、弾道ミサイルも外された状態だっと発表しました。

しかし、約2ヶ月後、週刊誌『ブラスチ』が実は火災発生時、規則に反して魚雷を搭載した状態で作業を始めており、合わせて規則で降ろすことまでは要求されていないものの、4発の核弾頭を搭載した潜水艦発射弾道ミサイル、R-29RM Shtil(シュチーリ)16基フル搭載していたと報じられています。

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その後、同艦は修理が行われ火災事故から約2年後の2014年6月に修理が完了し、再進水し同年12月19日に海軍に引き渡されました。修理にかかった費用は10億ルーブル以上とされています。

エカテリンブルクはこの修理で耐用年数を2019年まで延長されました。しかし、その後の再延長はおこなわれず、2020年には廃艦の準備が行われ、現時点で既に武装は取り外されているとのことです。

人工衛星を打ち上げる潜水艦

ちなみにデルタIV型は世界で初めて人工衛星の打ち上げを行った潜水艦です。使用されたのはデルタIV原子力潜水艦7番艦、ノヴォモスコフスク

打ち上げを行ったのは1998年7月7日。R-29RMを商用人工衛星打ち上げロケットに改装したShtil-1を使用しバレンツ海の海中からベルリン工科大学が設計した小型人工衛星Tubsat-N、そしてTubsat-N1の2基が発射されました。これは潜水艦から商用人工衛星が打ち上げられた世界初の出来事で、ロシア海軍が行った初めての商用打ち上げとなりました。

そして今回退役が報じられたデルタIV型原子力潜水艦 2番艦 カテリンブルクは、2006年5月26日にShtil-1を使用しKompas 2(参考)という人工衛星が打ち上げています。この人工衛星は電離層で発生する可能性のある地震の前兆を特定し予測するという、無線低周波アナライザーなど主に地震の前兆を研究・観測するというかなり珍しい人工衛星です。重量20kgの観測機器を搭載し全体重量は85kgでした。
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