
先日、鹿児島県奄美市にある海外に打ち上げられた謎の金属片。白く丸い形状のもので英語と数字の表記があったとされているのですが、予想ではロケットの先端、人工衛星を包んでいる元数億円相当のフェアリングです。
鹿児島県奄美市住用町の青久海岸に、巨大な漂着物が打ち上げられている。2日、同海岸に立ち寄った市民が発見した。情報を受け、奄美市住用総合支所の職員が6日に現地を調査。近く海岸から運び出す方針で、輸送方法など検討している。
漂着物は縦2・8メートル、横2・7メートル、厚さ4センチの湾曲した板状で、航空機などにも使用されるハチの巣状のハニカム素材を金属板で挟んだ構造になっている。外側には「SPRING ACCESS DOOR 303 304」「COVER 311」など英語と数字の表記があったほか、内側には配線らしきものが残り、大量の貝が付着していた。
南海日日新聞
今回、青久海岸に漂着したという謎の金属板。6日時点で同市住用総合支所地域総務課は「現時点では漂着の特定は考えていない。県とも協議した上で運び出しの方法を検討したい」と説明しています。
記事ではこの漂着物は『湾曲した板状』『ハニカム構造』『SPRING ACCESS…の表記』『内側には配線』があったということから、市は特定はしないとのことなのですが、ほぼ間違いなくロケットに搭載されたフェアリングと考えられます。
フェアリングはロケットの先端。一般的にボコっと膨らんだ部分のところで、内部には人工衛星などが搭載されています。これにより大気圏を飛行する際に問題がでる空気の影響を減らしています。その後、ほとんど大気がなくなる高度100kmほどで分離しています。
こちらはスペースXのファルコン9ロケットから分離したフェアリングの動画。フェアリングにカメラを搭載し分離後のもので非常に珍しい映像になっています。
このようにロケットには必ずと言ってもいいてほどフェアリングが搭載されており、日本のJAXAも落下したものを回収はしているものの沈んだり、回収できなかったものもあります。
実はこのフェアリングはそれなりに値段が高いもので、例えば上の動画で登場するファルコン9ロケットに搭載されるフェアリングの価格は600万ドル、約6億円です。今回漂着したフェアリングは滅多に目にするこはできず欲しい人がいる可能性が高く、お金をだして処分するよりも欲しい人に持っていってもらうか、かなり大きいものなので展示する価値はあるのかもしれません。
ちなみにロケットによる被害が出た場合は発射した者が賠償する責任があるという内容を見聞きしたことがあり、仮に処分するのであればまずはJAXAに相談することが良いと思われます。