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新型コロナウイルスから感染を守るんはワクチン以外存在していないのですが、これに関して既に国民の60%が接種しているという国があります。しかしその国では何故か新規感染者が増え、人口に占める割合はインドの10倍という数値になっていると報じられています。

ブルームバーグ、ウォールストリートジャーナル(WSJ)が今月10日報じた内容としてインド洋に浮かぶ島国、セーシェル共和国で新型コロナウイルスが急増しており、人口あたりに新規感染者数がインドをこえていると報じられています。

問題なのはこの国では既に国民の60%が新型コロナウイルスのワクチンを2回以上接種している点です。新型コロナウイルスのワクチンは2回撃たないと高い効果を発揮しないといわれています。この2回接種した割合が60.1%となっており、イスラエルの56.1%を超えています。つまり、世界の国々の中で最もワクチン接種が進んでいるのですが、一方で何故か新規感染者が激増しているという問題があります。

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記事によるとイスラエルはワクチン接種と共に新規感染者は減っています。しかし、セーシェル共和国では逆に増え始め、4月には1日平均70人ほどの感染者が出始め、5月3日時点では1日あたり500人に達しており明らかにおかしことになっているとのこと。具体的には5月10日におけるセイシェルの人口に占める感染者の割合は0.3%となっており、インドの0.026%よりも10倍以上高いとしています。
ただこの数値は人口が少ない小国であればあるほど、クラスターが発生するとその率も高くなる傾向があるため参考になるようなものではありません。


なぜ感染者が増えているのか。
まず、セーシェル共和国で使用されているワクチンは実は2つあります。1つは中国のシノファームが開発したワクチンで60%で残り40%がアストラゼネカです。観光で成り立つ国であるため3月末以降外国からの観光客についてはPCR検査で陰性が証明できれば隔離せず観光できるようになりました。この時点でワクチン接種率は30%台となっており、これが原因で感染が広まった可能性も指摘されています。

ワクチンを接種した場合、感染者発症はある程度防ぐことはできるものの全員が発症しないというわけでもなく、有効なのは特に重症化や死亡を抑える効果です。そのため基本的な感染対策は引き続き必要になります。

▼イスラエル(ワクチン接種率としては世界2位とされる国)
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▼中国
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