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人の体がある日突然、燃えるという人体自然発火現象。一昔前、ミステリー番組などで多く取り上げられご存知の方も多いと思うのですが、これに関して科学的に起こりうる根拠は無いという記事を紹介します。

足だけを残しそれ以外は跡形もなくなるように焼ける人体自然発火と呼ばれている現象。実はこれまで1763年を最初にこれまで200例ほど発生していると言われているのですが、そもそも科学的にそのようなことが発生しうるのでしょうか。

Is Spontaneous Human Combustion Possible? » Science ABC

記事によると、オハイオ州立大学、テネシー大学などの論文として、人体が自然発火したという事例証拠はある一方で、そもそも人体が自然発火するという科学証拠はないとしています。

そもそもどのような理由で人体が自然発火するのかを考える必要があります。私達人体からはメタンなどの可燃ガスが生産されており、このガスが何らかの原因で自然発火を引き起こす「異常な」内部反応に関連している場合があると考えられています。
しかし、人間よりも大量の可燃ガスを作る牛が燃えたという報告は無いそうです。そのため、ある日突然燃えるのではなく、外部から火が移るなど何らかの原因があります。人体自然発火と疑われた例の多くの人は暖炉など火元の近くで発見されています。


ではそのような人が仮に火が飛び移り、人間を消し炭にするまで燃え続けることがあるのか。過去にジョン・デハーン博士は、この理論のより多くの証拠を提供するために実験を行っています。
これは布とガソリンで覆われた豚の死骸を準備し居間に設置。死骸が燃えたとき、ガソリンは最初の数分以内に燃えつきたものの、豚の死骸は次の数時間燃え続けたとされています。これは豚の脂肪が燃料として働いたことが原因でした。そして人体自然発火現象と同じように周囲における火のダメージは最小限だったとのこと。

ただ、ここでもう一つの疑問がでてきます。これら人体自然発火では何故か骨まできれいに焼かれ残っていないことが多いことです。焼き肉で骨付き肉を見れば分かるように人間の骨も消し去るには強火力が必要不可欠です。

いずれにしても人体自然発火は暖炉の火が衣服に燃え移る必要があり、ある日突然私達が燃えるという自然発火は無いとまとめられています。