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再生可能エネルギーとして注目されている風力発電。これに関して、大手GEは海底に固定する風力発電タービンではなく、海底に固定せず浮かんだ状態にする浮体式洋上風力発電のタービン開発を進めていると報じられています。また試算ではこの洋上風力発電だけで全米の電力を軽く賄える電力が獲られるとも主張しています。(画像は参考資料)

GEリニューアブルエナジーは現在、2018年に高さ260mという超巨大な12MWの発電能力のある風力発電を開発。現在それを超える14MWバージョンを開発中です。

この巨大な風力発電タービンはHaliade-Xと呼ばれており、現在、イギリスにある世界最大の洋上風力発電所であるDogger Bankで稼働しています。また最近ではマサチューセッツ州東端のケープコッドの南に位置するマーサズ・ヴィンヤード島の沖合15マイル(約24km)の海上ではヴィンヤード・ウィンド1(Vineyard Wind 1)というアメリカ史上最大の洋上風力発電所(オフショア風力発電)としてHaliade-Xが設置されることになりました。

しかし、Haliade-Xにも欠点があります。それは海底が60m以上の深さになると設置出来ない点です。つまり設置可能な位置は陸から比較的近いところか陸上に限られるという問題を抱えています。

GE designs massive floating turbine to take wind energy into deep water

▼浮体式洋上風力発電の例


そこでGEは浮体式タービンプロジェクトを推進。水深に左右されにくくこれまで洋上で建設が難しかった地域まで風力発電を拡大することができると主張しています。

ただ、現時点で浮体式洋上風力発電の開発で課題があるとしており、米国政府のAtlantisというプロジェクト傘下で海洋設計会社Glostenと協力し開発を進めているとしています。


海底に固定するか浮かせるか、異なる洋上風力発電

洋上風力発電所には現在大きく2つあります。1つは良く知られているタービンを載せた柱を陸と同じように海底に固定するものです。しかし、これは先程も紹介したように海底の状況に左右やすいという欠点があります。

▼浮体式洋上風力発電の例
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そして浮体式洋上風力発電の場合は海底に固定はされるもののタービン自体は浮き輪を付けた人間のように浮いた状態です。そのままではどこかに行ってしまうので海底にケーブルを使って固定します。そのため海底に直接固定しないためより水深があったとしても設置できるメリットがあります。

現在、アメリカでは浮体式洋上風力発電を大量投入することで深海エリアでの海上に設置することができGEの試算によると、年間7000テラワットの電力を生産することができるだろうとしています。
この電力はアメリカの年間電力が4000テラワットと比較すると2倍近い数値になります。