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地域によって食事のマナーがあると思うのですが、それは別として何かを口に入れて食べると必ず音が出てしまいます。これは硬い物ではパリパリやポリポリという音です。しかし、自分の出す音には何の感情も示さないものの他人が出す音について狂ったように怒る人などは、どうやらまだ認められていない精神疾患である可能性があります。

そしゃく音というのは動物が何かを食べる以上必ず発生します。これは仕方がないことなのですが、皆さんの周りにも多かれ少なかれ食べる時の音を注意するような人はいると思います。しかし、このような他人の音特に咀嚼に音に対して極度に嫌悪感を示したり、時には怒り出したり、この話題についてネットで攻撃的な意見を投稿しまくるような人はミソフォニアという精神疾患である可能性が示されています。

Hate chewing sounds? Brain mirroring might explain why

これはイギリスのニューカッスル大学を中心とする研究チームが行ったもので、ある人が『特定の音が即座に物理的な嫌悪感を引き起こすという特徴』に関してミソフォニア(日本語では音嫌悪症または音恐怖症)という症状についての研究です。

ミソフォニアとは他人が出す音、例えば呼吸音、咀嚼など特に口から発する音に関して極度な嫌悪感を示す症状を指します。

ミソフォニアは2017年に発表された論文によると、このよな症状をもつ人はその音を聞いた時に脳の感情を処理する部分となる領域で活性化していることがわかっています。そして今回、食事と発せられる咀嚼音がミソフォニアの引き金として報告されているということから研究が始まったものになります。


被験者を用いた研究ではミソフォニアの症状がある人は何故か嫌いな他人の咀嚼音に対して、脳の視覚野および運動野が活性化するという異常な傾向が見られたとしています。この接続はミラーニューロンという脳のある処理に原因があるのではないかと予想されています。

このミラーニューロンとは簡単にいうと、自分が他人の仕草(ここで言えば音)を自分もマネしてしまうようなもので、ミソフォニアの人はこの他人の音が、まるで自分の中で無意識に発しているような処理が脳内で行われてしまうというものです。

ただ、ミラーニューロンについては人間以外の霊長類では観測されているものの、人間では観測されていないという問題があります。いずれにしても、他人の音が気になる場合の治療方法としては、あなた自身がまずはその音を出してみることで軽減につながる可能性があるとしています。