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自動操縦など高度にデジタル化された現在の航空機。一方、これに関して2020年7月に発生したパイロットが航空管制官からの呼び出しに40分間も応じず、目的地から110kmも飛び去った事故について、当時パイロットがある理由で眠っていたことが原因と報じられています。(写真は同型機、航空会社は関係ありません)

民間航空機のニュースサイト『AIRLIVE』によると、2020年7月オーストラリアで発生した航空事故に関してその最新レポートとして、この事故の発生はパイロットの疲労とコックピット内の軽度な低酸素状態が組み合わさり発生した可能性が高いと報告したと報じています。

A pilot fell asleep during flight and missed destination by nearly 70 miles - report - AIRLIVE

この事故は、セスナ 208Bという小型機がオーストラリアのクイーンズランド州のケアンズ市からレッドクリフまでのフェリーフライトで発生したものです。当時、パイロットは「予想外の着氷と雲による視界不良」が発生しており、このときの飛行高度約3000mで巡航していました。その後、パイロットは 高度3300mまで上昇し、飛行機の酸素補給システムを断続的に使用し始めたとのこと。

基本的にパイロットは高度3000mを超えると与圧されていないこの手の航空機は酸素補給システムを使用する必要があるとのこと。

しかし、管制塔側からパイロットに複数回通信を入れたものの応じることはなく、約40分間もそのまま飛行を続け、目的地から110km離れた地点でようやく通信が再開できたとのこと。その後管制塔から近くの空港に着陸するよう命じられ同日午後6時に無事着陸したとしています。

この事故に関して、オーストラリアの航空当局はパイロットの前日の睡眠不足と疲労があった可能性が高いとしています。そして酸素補給の断続的な使用による軽度の低酸素症が加わったことで眠りに落ちてしまったのではないかと説明しています。